閲覧いただきありがとうございます。

 

前々回の柴犬チコちゃんの記事に書いた通り、保護部門担当のあいの体調不良により、基本的にポーズハンズは保護活動を休止しておりました。

 

ただ、積極的な活動はしないまでも、あいとしては多少のお手伝いは考えていたようです。

 

それが看取りです。

 

通常、保護団体とは、飼育放棄等で行き場を失った犬猫を保護し、里親会などを通して新たな飼い主を探してあげる。

 

が、しかし。

 

このブログを見ていただければおわかりいただける通り、新たな里親さんに巡り会えるラッキーな犬ばかりではありません。

 

保護した段階で、里親探しをしない前提の犬もいます。

 

例えば、重度の病があったり、高齢であったりの個体です。

 

どこの保護団体の内情も同じでしょうが、わんにゃんこ様も現在たくさんの犬猫を抱えていて、これ以上は難しいとのことでポーズハンズに打診がありました。

あいとしても、看取りの協力なら最初から考えていたところなので、通常であれば二つ返事で引き受けていたところでしょうが、タイミング悪く、先日、突然にチコちゃんマルくんが来たばかり。

それでもどこも手一杯な以上はやむを得ません。

 

少し悩んだ末に、引き受けることにしました。

それでは、アコちゃんが飼育放棄された事情を少しお話しさせてください。

 

アコちゃんは、60代半ばのご夫婦が飼育されていました。

 

アコちゃんを連れてきた時、一緒に血統書を持って来たので、14年前、ペットショップかブリーダーから可愛い仔犬時代に購入されたのでしょう。

 

そして 14年間も血統書を大切に保管してあったのですから、保証書か何かと勘違いされているのでしょうか?

 

もしくは『血統書付き純血種』との証明が何らかのステイタスになると思っているのでしょうか?

 

もはや血統書など不要ですので、すぐさま捨てました。

 

こんな紙切れを14年間も大切にするくらいなら、アコちゃんをもっと大切にして欲しかった。

 

飼育放棄の理由は非常に身勝手なもので、

 

アコちゃんは室内飼育されていたらしいのですが、

 

鳴き声がうるさく、借家なのでこのままでは出ていかなければならなくなる。

 

引っ越すようなお金はない。

 

だから、保健所で処分してもらおうと電話をしたが『考え直せ』と説得された。『どうしても飼えないのなら、保護団体に相談してみろ』と言われたので、わざわざレンタカーを借りて、こちらに連れて来た。

 

室内飼育していたくらいなので、それなりに大切にしていたのかと思いきや、かなり殴る蹴るの虐待もあったようで、

 

しかも室内飼育なのでフィラリア予防はする必要が無いと思って、していなかったとのこと。

 

さらには夫婦そろって、精神疾患があるらしく、障害者手帳も持っているとのこと。

聞けば聞くほど、出るわ出るわ、イイワケのつもりなのか、真偽のわからない、整合性の取れない話がボロボロ出て来ます。

 

里親募集のサイトなどでも、こう言う理由をよく見かけます。

 

飼い主が高齢だとか、病気で入院することになったとか、子供にアレルギーが出たなど。

 

こういうイイワケがまかり通ると本気で考えているのかと首を捻りたくなりますが、不思議なことに実際に「じゃあ仕方がないよね」と同情する方もいます。

 

どうしても理解できません。

 

犬は15年は生きます。その時、自分が何歳になるのか簡単に計算できますし、病気になるリスク、子供にアレルギーがあるリスク、借家であること、失業して経済的に苦しくなる可能性、どれもそれほど低い確率というわけではありません。

 

そんな先のことまで考えていられない?

 

誰も、飼ってくれと頼んで、無理やり押し付けたわけでは無いのです。

 

そういうリスクが少しでもある人、そういう状況になっても手放さない覚悟のない人は、最初から飼わなければ良いだけなのです。

 

同情の余地は何一つない。

 

不幸自慢をすれば、犬の命を犠牲にしても許されるなんて馬鹿な道理はありません。

 

そんなわけで、新たにやって来たアコちゃんは、里親会に参加することなく、あいの家で余生をゆっくり過ごしてもらうことになります。

 

幸いにもおっとりした気性で、他の犬とも仲良くやっていけそうです。

 

それにしても、アコちゃん、チコちゃんメダちゃんと、まるで柴犬のブリーダーの如き室内になって来てしまいました。

 

アコちゃんメダはポーズハンズの永住犬ですが、チコちゃんは里親会にも参加していきますので、今後ともよろしくお願いします。