恋ではなく | パブロフのブログ

恋ではなく

この作品は構成が一風変わっていて、
典史と裕未がダブル主人公として存在しそしてこの2人の関係性を常に機軸として物語が進展していきます。
普通の作品だと選択肢によって状況が変化し様々なヒロインルートに派生するのが当たり前なのですが、
これは逆にどんな選択肢を選んでも辿る道のりは違えど必ず2人が結ばれる流れに収束するという斬新な形式を取っているのですね。
構成としてはそれぞれ扶、亮輔、尚人の動向を中心に据えた3ルートがあり、
それを全てクリアするとグランドルートが見られるという形になっています。
構成の秀逸さ、テーマの深さ、人物造形の巧みさ、どれをとっても名作ですし、
ご都合主義が蔓延しきっているエロゲ業界にかなり大きな波紋を及ぼすような作品ではありますが、
かなり人を選ぶのは確かだと思います。
ヒロインが一人という割には尺は長く物語もバラエティに富んでいて、
かつすごく引き込まれる物語なのでだれるということはほとんどなく一気に読み進められました。