自信がついたときには
本当に手に入れたかったものの全てが
本当に全部こぼれ落ちてしまった。
本当に好きだった人は結婚をした。
相手の顔を見る限り私も候補に挙がった時期があったという噂は本当らしい。
本当に助けたかった難病の妹は死んだ。
歩けるようにする技術は手に入れた。会社のポジションも手に入れた。しかしガンで亡くなった。
祖母と約束した玄孫を見せるとう約束も守れそうにない。
残ったのは友人と楽器と技術とお金
満たされない日々
誰かに甘えたいと思っているのだろうか。
もう20年以上考えているが、誰にも甘えていない。心は常に満たされない。
ただもう八方塞りなのだ。
やる気が出ないというか。
やったところでといった感覚がチラつく。
私は怠惰だったのだろうか。
要領が悪かったのだろうか。
たしかに遊びに使った時間もたくさんある。
しかし、人間らしく生きることがいけないのだろうか。少しづつ人間らしさは捨てていった。
欲を捨て、他者をいたわる気持ちを捨てた。
幸せは捨てた。青春は捨てた。
家庭は捨てた。友を捨てた。
残るわずかな友は「これからは幸せになるさ」とよくある気休め話をしてくれた。言葉に価値は感じないが、心遣いには感謝する。
幸せを感じられなくなった私が
どのように幸せになるというのか。
技術者を続ける理由はない。
だが私には技術しかない。