ポール・マッカートニー 語録 873 レット・イット・ビー | ポール・マッカートニー 語録

ポール・マッカートニー 語録

Paul McCartney In His Own Words

当ブログは公表された著作物の出所を明示した上で、
規定に従って正当な範囲内で引用しています。

 『レット・イット・ビー 』について、

つい最近思い出した面白いことの一つは、
高校で、大好きなアラン・ダーバンド先生のもとで英文学を

勉強していた時、『ハムレット』を読んだことがあったんだ。

当時は、言葉を試験で引用しなければならなかったから、

暗記が必要だった。劇の後半に2、3のせりふあって、

それが『おお、話しておきたいことが...だが、しかたがない。
ホレイショー、俺はもう死ぬぞ』というんだ。

これらのせりふは、僕の記憶のなかに無意識に植えつけられて

いたのではないかと思う。

『レット・イット・ビー』を書いていた時、

僕は何もかもやりすぎて、ボロボロになっていた。

そしてそれが被害を及ぼしていたんだ。バンドも僕も、

歌にあるように、みんな困難な時期を経験していて、
混乱から抜け出す方法がないように思えた。

疲れ切ってぐっすり眠っていたある日、夢を見た。
(他界して10年経っていた)母メアリーが

本当に僕のところに来てくれたんだ。

自分が失った人に会うという夢を見る時、ほんの数秒でも、
本当にその人が自分のすぐそばにいるように感じられ、
まるでいつもそこにいたかのように感じられる。
身近な人を失った人なら誰でもそれを理解していると思うよ。
今でも僕はジョンやジョージの夢を見て

彼らと話したりすることがあるんだ。

でも、この夢の中で、母の美しい優しい顔を見て、
穏やかな場所で一緒にいるととても癒されたんだ。
母は僕が人生で何が起こっているのか、

また何が起こるのかを心配していることに気付いたようで、
僕に 『すべてうまくいくわよ。そのままにしておきなさい』

と言ってくれた。

( ザ・リリックス: 1956 トゥ・ザ・プレゼント /
   サンデー・タイムズ紙 / Bang Showbiz 2021/10/24 )