僕の本棚に置いてある、若本俊雄さんによる白鳥の写真集を観た。
24歳で癌で亡くなった人だ。
最後の写真、あさぼらけの空に白鳥が向かっていく写真は、圧倒的だ。
彼の言葉が残されている。
「最後の最後で撮れました。神様が撮らせてくれたんや」
僕は、「生きる」ということを考えるときに、二つの考え方を出発点にする。
一つ目は、
生きるということは、当たり前ではないということ。極端な話、僕が明日生きているかどうかも実はわからない。
二つ目は、
死なないということがイコール生きるということ、ではないということ。
人生のどの一場面を切り取っても充実してたなって思える生き方をしたいと思う。
時間を大切に、その中で経験していく出会いを大切にしたいと思う。
人に優しくありたいと思う。
数ヶ月前、
豊島公会堂で、
フンパーディンクのオペラ
「ヘンゼルとグレーテル」
の上演があった。
僕も、演奏家として参加した。
パート柄、休符が多いので、お客さんを観察していた。
日本語公演だったのが良かったのだろうか。
子供たちは、
ワクワクとしながらオペラを楽しんでいた。
新鮮だった。
1時間以上あるオペラだ。正直、寝てしまったり、退屈している子が多いのではないかと思っていた。
ほとんどの子供たちが、最後の最後まで眼を輝かせて観ていた。
前の方に座ってた親子に眼を向けてみた。
お母さんは、おそらく用事があったのだろう。
まだ演奏の途中だったが、席を立とうとした。
だが、
子供が動かない!!
「最後まで観て行く!!」といわんばかりに!
本当に、嬉しかった。
目の奥が、熱くなってきた。
すばらしい経験をした。
こんな経験をさせてくれた関係者の皆さんに、感謝の気持ちでいっぱいだ。
また、すばらしい音楽を作った、フンパーディンクに大きな大きな敬意を抱いた。
僕は、本番前の日々、毎朝毎朝、この曲を口ずさみながら通勤していた。
時には美しく、時には躍動感に溢れ、本当に素晴らしい音楽だ。
ちなみに、僕が一番好きな演奏は、
スウィトナー指揮、ドレスデンシュターツカペレの演奏だ。少し古い録音だが、音質が悪いということは決してない。
抜粋バージョンなんか、買ったらソン。
買うなら、全曲入ったこれ!(笑)
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オペラを通して僕がとりわけ好きなのが、
第二幕の、眠りの精が歌い、ヘンゼルとグレーテルが眠りにつくシーンだ。
二人は、こう歌う。
夜になってわたしが眠りにつくと
14人の天使が私の周りに立ってくれます。
2人はわたしの頭のところに
2人はわたしの足のところに
2人はわたしの右側に
2人はわたしの左側に
2人はわたしをかばって眠らせ
2人はわたしを目覚めさせ
2人はわたしを天国へ
導いてくださるのです。
さあ、僕たちも深い眠りにつこう。
