新年早々、共産党の募金について話題になっている。

こんなNoteがアップされている。

 

現在、共産党の募金に関するデマがかなり拡散されている。それらは公式HPなどで公開されている情報を見れば事実と異なっていることが分かるので、ここで簡単にまとめておく。

 

 

話題は四つあって、そのうち二つはデマ、もう一つは失策、最後の一つは誤解というもの。

 

①椎葉かずゆき氏(日本共産党千葉県西部地区委員長)のtwitter画像を貼って、「募金の一部しか被災地に届けていない」というデマ

 

 

千葉県の共産党の方が県内の自治体に募金を届けたと報告している。このツイートの「一部」という言葉を切り取って、それ以外の募金は被災地に届けられておらず、党のお金になっているというデマが流れている。当然そんなことはなく、ここに書かれた「一部」という言葉は、集まった全ての募金額のうち千葉県の自治体に届けられた分のことであり、それ以外の募金は他県の自治体に届けられている。

 

 

②(この画像を貼って)「救援募金を党活動に使っている」というデマ

 

 

画像の、上半分にある写真は募金を街頭で集めている場面である。一方、下半分の内訳は、募金の使い道が記されたものである。
この画像を見て共産党が救援募金を党活動に使っていると誤解してしまった人がたくさんいるようだが、画像の上半分の写真のように街頭で集められた救援募金は現地の自治体に義援金として送るなど東日本大震災の被災地に届けられ、画像の下半分の内訳に使われているのではない。この下半分の内訳は、「被災地党活動支援募金」として被災地の党活動のために使いますと目的を伝えた上で、党員や支持者のつどいなどで⑴の救援募金とは別で募り、被災地の党機関に届けられたもので、街頭などでの救援募金として集められたものではない。

 

この二つはデマ、つまりフェイクニュースだ。

しかし、かなり拡散されたようだ。

 

もうひとつがこれ。

 

③(この画像を貼って)「被災地救援以外の党活動にも募金を使っている」というデマ

 

 

これに関しては、①熊本の被災地救援②北海道5区補選支援③党躍進のためという目的の異なる募金を分けずに集めてしまったということでツイート主の香西さんが誤りであったと謝罪し、全額を熊本の被災地支援に充てている。

 

これは2016年4月のものだ。

当時、ネット界隈では話題になっていたようで、AERAドットでも記事になっている。

 

 

 

香西氏によると、会場に集まった550人のうち200人以上から37万円が集まった。香西氏が翌日、「熊本の被災地救援、北海道5区補選支援、党躍進のためにありがたく使わせていただきます」とツイート。ネット上では、被災地支援名目に政治資金集めをしていたのではないかと批判された。香西氏は、本誌の直撃に反省しきり。

「まったく性格の違う募金ですから、いっしょくたにしてしまったのは私の不徳のいたすところです。詐欺ではありません。直接取材を受けたのは初めてですが、取材してもらったほうがいいんです。誤解が解けて」

 集まった37万円はどこへ行くのか。

 

「党の熊本県委員会の口座に振り込まれています。今後、党中央と県委員会が相談して、被災地に届けられることになると思います」

 こうした募金は、共産党だけではなく、多くの政党がやっている。集まったお金はダイレクトに被災地の県や市町村に行くと思っていたので、びっくりした。

 

よく聞けば、ツイッターで騒がれなければ、熊本に行くのは3分の1、12万円ほどだったらしい。「熊本救援」と名がつけば、共産党支持者以外も寄付していたかもしれないから、やはり不親切だろう。

「立候補はやめたほうがいいでしょうかね」。弱音をはいた香西氏に、記者が「やめた方がいいんじゃないですか」と同意すると、香西氏は慌てて前言を撤回した。

 確かな野党・共産党なんだから、ぶれずにいこうね。(本誌・上田耕司)

 

マヌケな話、この上ない。

詐欺募金だとも思えるが、すべてをネコババする意図もなかったようだ。

この議員候補は議員としての資質に欠けるとは思う。

けれど、何より取材にきちんと答えて、全額被災地に送ったのだったら問題は解決している。

 

当時、党中央も見解とおわび声明を出しているようだ。

 

東京都品川区内で開催した日本共産党演説会で参加者から寄せられた募金について、党品川地区委員会は19日、全額を地震が続く熊本県の被災地へ送ったことを明らかにするとともに、香西克介地区委員長(衆院東京3区予定候補)の発言についておわびしました。

 募金は16日の演説会で、参加者によびかけたもので、37万円が集まりました。

 この募金について、演説会の弁士だった香西氏が自身のツイッターで、熊本の被災者救援、北海道5区補選勝利、党躍進の三つの目的で募金をよびかけ、それぞれの目的にそって使わせていただきますとのべたことに対し、多数の疑問や批判の声が寄せられました。

 香西氏は「被災地支援の募金と、選挙勝利の募金を一体にして集めたことは、不適切でした。募金にご協力いただいたみなさんにおわび申し上げます。ご批判を真摯(しんし)に受け止め、今回の募金は全額を熊本に届けました」と話しました。

 小池晃書記局長は18日の記者会見で、「こういう募金の集め方はよくない」と指摘。「被災地への募金は、それに限った形で集めるのが当然。(共産党は)一貫して直接自治体などにお届けしている」とのべていました。

 

 

 

最後のひとつはこれ。

 

 

④元党員による街頭募金についてのデマ

 

これは、灘民商から不当解雇され、共産党からは除籍された東鄕ゆうこ氏のX(twitter)に関するもの。

パトラとソクラもフォローしているニュースの人だ。

 

 

 

 

実際はどうだったのか?

 

この画像は、去年あったトルコ・シリア地震への救援募金を街頭で募っている様子である。

これは募金の時に一緒にいた方のツイートで、入金伝票も振り込み明細票もコピーして保管されていることが分かる。1円単位まで全額災害募金係に振り込み、全国から集まった募金を国会議員がユニセフ、UNHCR、WFPなどに届け、HPで金額と寄付先が公開されている。

内訳は上に添付した記事の通り、WFP ・トルコ大使館・UNHCR・ユニセフにそれぞれ500万円ずつ、合計2000万円を寄付し、残りの1162万1530円を後日改めてユニセフに寄付している。

 

たんに東郷ゆう子氏が誤解しただけの話だ。

 

あとで東郷ゆう子氏はこうツイートしている。

 

 

 

 

しかし、拡散されたのは最初のツイートで、それは今も拡散し続けている。

 

共産党に関するデマや誤解情報の拡散は、歴史修正主義の場合と似ている。

 

かつて本多勝一氏が執筆した『中国の旅』(朝日新聞社)の南京虐殺に関する取材記事の写真が何枚か間違っていたことがあった。

歴史修正主義者と思われる人たちが言うには、「数枚間違っていたのだから信用できない。南京虐殺なんてなかったのだ」という主張だ。使われた写真は数百枚あったのだが。

 

日本共産党の場合も似ている。

きれい事をいろいろ言っているが、いくつかデマを言っているので信用ならない、という印象操作なのだろう。

 

東郷ゆう子氏の場合、灘民商に不当解雇されたり、共産党に除籍されたりした恨みがある。

最近のXを見ていると、だんだん旧統一教会のシンパ活動や反ワクチン運動に近づいているのが気になる。

 

共産党への批判が事実に基づくものなから理解は出来るが、デマや事実でないことを確かめもしないで拡散するのはよくない。

 

今回、Noteに「共産党の募金に関するデマについて」をアップしたhinaという人は共産党員でもJCPサポーターでもないと言っている。

そして最後にこう書いている。

 

共産党さんは、SNSでデマや誤解が生じていたら、公式で丁寧に証拠を示して事実を説明した方がいいのではないだろうか。そして、度を超えて悪質なものについては訴訟も検討してほしい。

 

その通りだと思う。

 

でも、東郷ゆう子氏の件を共産党はあまり触れたくないのだろう。

 

灘民商からの不当解雇については、パトラとソクラが訴状や答弁書を読む限り、東郷ゆう子氏が勝訴すると思われる。

 

 

 

灘民商になんらかの恣意的な意図があったと思われる。

 

となると、もう一つの裁判、日本共産党を相手取った除籍に関する裁判も日本共産党が不利になる可能性がある。

 

しかし、今は党大会前でもあるので話題にできないのだと思う。

こっちの話題が党大会までの勢いを失速させることになるだろうから。

 

だからこの件に関するフェイクニュースは止められないのだろう。