昨年、身内を亡くし、喪中でした。
猫のだいちゃんが旅立ってしまった悲しみだけでいっぱいいっぱいでしたが、親族まで。
年賀状がない、おせちがない、それぐらいしか、悲しみを表す手段がありません。
だいちゃんは私にとっては次男でしたので、亡くした痛みは消えません。
あまりの痛さに耐えかねて、昨年の秋くらいに犬を迎えようと思い立ちました。
猫はだいちゃんが最後と考えておりました。
しかし、どういう訳かなかなかうまく行かず、つい、猫の里親募集サイトを見たら、8年前に亡くなったパトラ?と見間違う猫が目に入りました。
結果として、その猫を迎える事になりました。
「引っ越し先がペット不可なので飼えなくなりました」と言う理由で出されていた子でした。
里親に決まった瞬間に「だいちゃんに申し訳ない」と思いました。
うちに来てわずか一年で亡くなった、だいちゃんを過去形にしてしまうような事をしていると後悔しました。
それでも「のんちゃん」と名付けて迎えた新しい子に罪はないので、そこはちゃんとしなければと思ったのですが、二歳とは思えぬ体格。あまりに小さく、ガリガリに痩せています。
だいちゃんも、妹の家の猫を預かった時も、緊張はしていてもどの子も餌は食べたのですが、のんちゃんは6日間何も食べませんでした。
飼い主の方に連絡をして、このまま食べなければ命に係わると思いますとお伝えしました。
すると、「そんなの、そっちで何とかして下さいよ」と激怒。
「里親探しにどれだけ時間を使ったと思ってるの」となじられました。
この子が何でこんなにガリガリで、新しい環境になじめず、6日も何も食べられなかったのか一瞬にして理解できました。
そして、どうして、この子の里親募集が目に入ったのかも。
これなら、だいちゃんも納得してくれるかもしれません。
不思議なものです。
相手が何を話しているのかがわかったかのように、この電話の直後にのんちゃんはお腹を出して寝転がりました。
「私はこの家の子でしょう」と言っているかのようでした。
そして、それをきっかけに、やっと食事をするようなりました。
あれから一か月半。
毎日、毎日、遊んであげると大喜びしています。
運動をするとお腹がすき、食事の量も増え、二回りくらい大きくなりました。
膝にのらない、抱っこに慣れていないのは、のんちゃんのせいではないのですが、これからでしょうか。
元飼い主からは、一切の連絡はありません。
今年はのんちゃんにとって新しい生活の年にしたいです。