おはようございます!
今日もいい天気ですね!
製菓学校の学生や若いパティシエと少し仲良くなると
「コンクール(学内コンクール含む)の意味」
や
「1位を目指す意味」
について聞かれることがあります。
このブログ、いつも言っておりますがアドバイスではありません。
私の見てきた事、体験した事の話です。
🏅
私も若い頃
「コンクールの意味」
について疑問を持っていた一人です。
むしろ否定する気持ちでした。
そんな人の言い分としては
「あんなの作れたってお店じゃ売らない」
(つまり役に立たないという考え)
や
「あんなこと※出来ても現場で必要な技術じゃない」
というようなことが多いと思います。
※実際コンクール用のマジパン細工や飴細工でデコレーションするレギュラーケーキなんてほとんどありません。
私が通っていた製菓学校でも自由参加のコンクールがありましたが私は不参加でした。
※確かメープルシロップを使う事がテーマでした。
普段の実技試験は問題なくクリアしていましたが
「そもそもお菓子作りで人と競い一番になる事とは?」
などと考えていました。
しかし今の私は
「1位を目指した人じゃないとオンリーワンにはなれない」
と思っています。
「1位になった」
ではなく
「1位を目指した」
です。
それは例えばお店で言えば
(少し漠然としますが)
「地域一番店を目指す」
とか
「最高級店を目指す」
また職人としては
「メディアに一番多く呼ばれる」
また実際にはわかりようがありませんが
「収入が一番多いパティシエ」
※これは経営者・企業家的な感覚ですが
「一番の高収入を目指す」
もあっていいと思っています。
しかしここであげた例の中には
「あーこれは嫌だな、違うな」
と感じる1位(一番)があった人もいると思います。
🚙
私が出会ってきた人達の中で
「この人凄いな」
と感じる人は
「オンリーワン(個性的)な人」
です。
おそらくパティシエ仲間(職人)はほとんど皆同じだと思います。
そしてその人たちは皆1位を目指した人だと思います。
結果としてコンクールで1位を取れていなかったとしても1位を目指した人が結果オンリーワンになっていると感じます。
少なくとも私の周りは皆そうです。
何かで一番になろうとして努力した経験がある人は、より自分の世界観を明確に持ちます。
何故ならコンクールは人と同じことをしていては勝てないからです。
逆に順位が付かない事ではなかなかわかりにくい部分でもあります。
※幼稚園小学校の運動会のことは専門外なので話しませんが、どうなんだろう?
🚩🏃🏻♀️🏃🏻♂️
自分で自分を評価するのは簡単なようでなかなか正確には出来ないと思っています。
「自分が良いと思ったらそれでいいじゃないか」
その言葉を否定するものではありませんが、他からの評価の受け止めは大事だと考えます。
私が思う
「魅力的なオリジナリティー」
を他の業界で例に挙げるなら。
歌がそれ程上手いとは感じられないけど多くの人から支持される人気歌手。
📖🖋拙い文章のようでもなぜか面白く興味を引く小説家。
ヾ(≧▽≦*)o 絵はイマイチなのになぜかめちゃめっや魅力的なキャラクターとストーリーで何度も読み直してしまう漫画。
世の中には評価が数字で出る分野と芸術作品の様に数値化しにくい分野があります。
そして一般の人にとってパティシエの仕事はプロの競技スポーツなどとは違い、その価値が分かりにくく人によって違ったりもします。
その中で唯一コンクールは点数が付き順位が決まります。
繰り返しになりますがその中で1位を目指すなら人と同じことをしていてはなかなか難しいです。
その為、1位を目指す人は他と違う事をしようと考えます。
また反対に諦めたり他人の真似をするなど自分に甘さを許せば自身の感性に磨きがかかりにくくなります。
※パティシエは物理と化学と感性の仕事だと思っています。
※真似から入る事は否定しません。ステップを踏んでいくことが大切だと思います。
コンクールではもちろん豊富な知識・高い技術レベルは必要ですが1位になる為にはオリジナリティー・個性が大きな要素になります。
つまり1位を目指す事はオリジナリティーを磨くことと一緒でその経験をした人がオンリーワンになれると私は考えます。
※もちろんコンクールだけの事ではありません。あらゆる経験は人に何かを伝える時に根拠が増します。
※それからコンクールを経験すると、将来お客様や一緒に働くスタッフへの説得力が増します。
いかがでしょうか?
世間の若者の中には
「人と違う事をする人」
の意味が
「ただ変な事をする人」
だととらえ”変”を装っている人を多く見受けます。
しかし少なくともパティシエにおいては
「良い意味での個性(オリジナリティー)」
だと解釈して欲しいと思います。
最後に
コンクールは学内でもプロになってからも視野に入れておくと良いと思っています。
※主に中高生に向けて製菓学校のコンクールについてお話したページです。
よかったら👇
それでは皆さん
愛ある一日を!
~おまけ~
※私がコンクールに対する考え方が変わったのはフランスに行ってからです。
当初フランスに行く目的の中にコンクールにトライする事は入っていませんでした。
※フランスでいくつかのコンクールに参加しました。
最初は参加。
二回目は上位。
三回目からはやっぱり1位を目指しました。
技術的には上がいるのは肌感でわかっていましたのでいかに特徴付け出来るか。
そして日本人とばれないかを考えました。笑
それから今思い返して
「やってよかったなぁ」
と何気に思うのは、
異国の地で生活しながら
コンクール申し込んで(もちろん仏語でレシピなどを提出します)
テーマ(課題の素材なども)に合わせて本屋さんなどで資料を探します。
(これももちろん仏語)
ピエスモンテのケースも全て手作りするのでホームセンターに行って規定サイズに合わせてガラスと土台部分の木材を切ってもらって家まで運び組み立てます。
審査用の試食のお菓子とピエスを作って(ピエスは自宅でモンタージュしました)運送屋さんの手配をして会場に運んで、設置して。と
いろんなハードルがありました。
(会場でモンタージュする事は基本出来ません。)
会場に向かう途中、車の振動でピエスが破損したこともありました。(大破!結果は当然ビリ!)
パリは石畳なので細かい振動がずっと続きます。
これは結構なダメージ。
そして高速道路などの大きな道から小さな道に入るつなぎ目などはほぼ「ダッダッ」となります。
ピエスを車で運んだ人ならわかると思います。
まぁメンタルタフになるなぁ!