おはようございます!
今日もいい天気ですね!
🍇レーズン
子供の頃はおやつとして食べていました。
苦手な人もいますが母曰く私はちっちゃい頃から好きだったようです。
洋菓子では
『生菓子』『焼き菓子』
ともによく使われる素材です。
しかし現在、レーズンのお菓子はだいぶ少なくなったな?・・・と。
以前は生菓子にも多く使われていたのですが、近年は本当に少なくなったと感じます。
日本の洋菓子黎明期には洋酒漬けレーズンがサンドされているバタークリームのケーキなど比較的多く作られていたと思います。
やや高級感のあるカテゴリーでした。
その後あまり定着せずあまり見かけなくなってしまった理由としては、生クリームが普及して日本ではショートケーキやムースのケーキなどが好まれていった事も理由だと思います。
更に当時日本のバタークリームが今ほど美味しくなかった事も無関係ではないと思います。
バタークリームについてお話したページです。
👇よかったら。
焼き菓子に関しては今でもパウンドケーキ類で多く使われています。
レーズンが底部分に敷かれたチーズケーキも、減ってきた印象はありますが老舗のパティスリーではまだまだ見かけます。
※私も製菓学校時代(1980年代後半)に授業で作ったような気がします…記憶違いかもしれません。
※ダクワーズやレーズンサンドには今でもよく使われているので全然人気がないという訳ではないと思っています。
レーズンの使い方(準備の仕方)
そもそも様々なレーズンがありますがここでは日本で一番身近なあの黒いレーズンを例にとってお話します。
【写真はトルコ産(サルタナ種)です】
洋菓子に使用する場合一般的には
「アルコール漬けにする」
「水分で戻す」
「そのまま使う」
があります。
最近では一般の方でもご存じの人が増えましたが、オイルコーティングされたモノと、されていないモノがあります。
色々誤解がある様なので先に話しておくと
「オイルを使っている」
イコール
「良くないレーズン」
ではありません。
使用目的によって向き不向きがあるだけです。
コーティングに使われるオイルがまるで健康を損なうような言い方をされていたり、そう思い込んでいる人。
また
「美味しくない」
「良品ではない」
としている人が多くいますがそうではありません。
そもそもなぜオイルコーティングされているのか。
を考えればわかっていただけます。
~品質の保護~
オイルでコーティングすることで
「破損を防ぎます」
必要以上の
「乾燥を防ぎます」
「高い湿度にも影響されにくくなります」
そしてレーズン同士が
「くっつきにくくなります」
保管する倉庫や輸送時の環境は以前より改善されました。
生産地から日本に届けられるまでの輸送時間も以前に比べて短くなりました。
そういう意味ではオイルの必要性は以前より少なくなったと言えるとは思います。
🚢
ではオイルコーティングをしなかったときのデメリットを幾つかお話します。
先程の反対で
「湿度に影響されやすくなる」
のはわかりやすいと思います。
特に乾燥し過ぎた状態はとても硬くなります。
かっちかちやでー
では
「レーズン同士がくっつく」
とはどういう意味か?
オイルコーティングがされていないレーズンは時間が経つとレーズンの糖分で結構しっかりとくっつきます。
特に業務用は1箱に13.6㎏入っています。
その重さで密着し結構ガチガチにくっつきます。
使いきれずおいておくと賞味期限内でも短時間でかなりくっつきます。
そのくっつきを抑制しているのがオイルコーティングです。
~レーズンがくっつくとは~
くっついたレーズンを無理やりバラバラに離そうとするとレーズンの皮が剥がれ傷つきます。
やや強い表現ですが
「つぶれる」と表現してもいいです。
更に皮の破損したレーズンをシロップや洋酒で戻す場合を想像すればわかりやすいと思います。
これは割と致命的で粒として均一な状態では残らないので食感にも影響します。
※実がほどけカスっぽい感じが出てきます。
したがってもしカチカチにくっついたら水で少しずつほぐすようにばらします。
レーズンは使用する前準備として、お湯(又は水)で洗う作業をすることが多いです。
これはまず
「汚れを落とす」
「付着している菌を落とす」
事が目的です。
つまりお湯を使って洗う作業でオイルもある程度落とせます。
お湯で洗うのには
「適度に水分を含ませふっくらさせる」
という目的もあります。
これはそのままのレーズンでは食感が固くお菓子になじまないケースが多いのでその目的に合わせて適度に水分を加えるイメージです。
パティスリーではパン・オ・レザンに巻くレーズンなど菓子パン的な用途でも同じです。
レーズンに少し瑞々しさが戻ると生地やクリームとの一体感が生まれ食感も良くなり風味もより感じやすくなります。
※フランスではクロワッサンやブリオッシュここで話しているパン・オ・レザンなどを「ヴィエノワズリー」と言って、パティシエ必須の仕事です。
🥐
レーズンサンドなどに使うときは殺菌効果を求めてサッと熱湯に通すことがあります。
特にシロップなどに漬け込むときには湯通しした方が良いです。
湯通ししないと(レシピにもよりますが)菌が増殖して沸いてきます。
度数の高いアルコールで漬ける場合は湯通ししなくても菌は沸きませんが、単純にきれいにする意味ではちゃんと洗った方が良いと思っています。
この時あまり長く湯に浸かっていると余計な水分が入ってしまうので大き目な鍋でたっぷりのお湯が必要です。
レーズンを入れたら短時間で軽く沸騰させ、すぐにザルで湯切りをします。
なるべく短時間で冷ましましょう。
レーズンを洗ったあとの戻し方は幾通りかあります。
簡単に例をあげてみます。
「シロップに漬ける」
「アルコールに漬ける」
「水またはシロップで加熱しながら水分を含ませる」
など
目的とレーズンの品種によって使い分けます。
時々お会いするのですが、お菓子作りが趣味で特に焼き菓子が得意な人は何通りかのレーズンを用意してるようです。
いかがでしょうか?
プロでも同じですが、レーズンに限らずドライフルーツは扱い方で様々に味や食感に変化が与えられオリジナリティーも上がります。
お菓子が出来上がった時の達成感も全然変わってきます。
パウンドケーキ用など漬け込んであるドライフルーツを購入して手軽に楽しむ事も全然ありですが、心と時間に余裕のある人はドライフルーツの下仕込みから始めると他に応用したくなったりして楽しさが広がると思います。
それでは皆さん
愛ある一日を!
~おまけ~
(いろいろカテゴリーがありますが)今のレーズンではあまり気にならなくなりましたが私がパティシエを始めた1980年代までのレーズンはちゃんと洗わないとちょっとした”ざらつき”もありました。
ブドウの小さな枝もよく混ざっていました。
(混ざっていたというよりくっついたままでした)
当時レーズンを洗う作業は若いパティシエの仕事で、手のひらで確認しながら小さな枝を取りのぞきつつ水で洗っていきます。
時間がかかり過ぎると余計な水分を吸ってしまい製品に影響が出てしまいます。
もちろん手早く終わらせなければ先輩の雷が落ち次の機会は無くなります。
「もっとやりたくない仕事に回される」
という意味ではなく
「やる仕事が無くなる」
という意味です。
早く終わらせようと適当に洗うと、出来上がりに見逃した枝や口の中にざらつきが残ってしまい非常にやばい事になりました。
まぁ昔話なのでこれ以上詳しくは話せません。笑
👊
♬レ~ズンパァ~ンは~ぁッ
見た目でソンしてるっ!
(^^♪
がなぜかツボです。
思い出してついニヤケてしまいます。
~おまけ~2
【ラム酒で漬けるレーズン】
【シロップで加熱して作るラムレーズン】
レーズンサンドなどに向いています。