おはようございます!
今日もいい天気ですね!
日本では主に
「パウンドケーキ」
【pound cake】英
と呼ばれてお馴染みですがフランス語では
「キャトル キャール」
【quatre-quarts】
と言います。
直訳すれば
「4つの4分の1」
無理矢理表現すれば
「4同割」です。
※名前の由来や歴史的な話に興味のある方はヨーロッパの食に関する専門書などで調べて下さい。うしっ
「キャトル キャール」
は焼き菓子の基本が詰まっています。
※プロのお菓子作りに携わる人にとっても基本中の基本と言えます。
家庭でも理論的に理解して作れると、応用もしやすくなるので最初に覚える人も多いと思います。
※家庭向けレシピなどで”基本的な作り方”が書かれてあると個人的にチョット安心します。
タイトルに”混ぜるだけ” ”失敗しない”など書かれているレシピは基本とは違う応用的な事が多いので注意が必要です。
良いレシピと出会える事を祈っております。
ポイントの1つが
バター(固形油脂)だと思います。
ほとんどのレシピで
バターと粉砂糖を
白っぽくなるまですり混ぜる
と書かれています。
ではナゼ白くなるまで混ぜるのか?
バターと粉砂糖をホイッパーですり混ぜると細かい気泡が含まれていきます。
この気泡の大きさを
「小さく・沢山含ませる作業」が
白くすり混ぜるです。
ではナゼ?
小さな気泡を沢山含ませるのか?
わかりやすく言えば
「キメの整った生地に焼き上げるため」
キメが整う事で食感が安定します。
水分をとどめておく力がより安定します。
※いわゆるしっとりした状態を作りやすくします。
逆に粗い気泡は焼いている最中浮いてきてしまいます。
結果ケーキの上部から抜けるか、上部に集まりスカスカします。
気泡が抜けると言う事は水分も同時に抜けるという事です。
そして上部に対して下部はメが詰まった重い食感になります。
つまり混ぜ方が不十分だと白くならず気泡の大きさもバラバラになります。
ベーキングパウダーなど膨張剤を使う配合は特にそうですが
「気泡」を核にして
ガスや水蒸気が膨張しますので生地の中に含ませた気泡の大きさがバラバラだとより気泡の大きさに違いが出来てしまいキメの粗い焼きあがりになります。
生地に含ませた気泡が
〈細かく〉・〈沢山〉
あればよりガスと水蒸気の行き場が
〈細かく散る〉
ことになりキメの細かい焼き上がりになるイメージです。
プロのパティシエ(洋菓子職人)がミキサーで仕込む時、高速で一気に空気を含ませればボリュームは直ぐに出せますが、気泡の大きさにバラツキが出てしまいますので少し時間を掛け中速で混ぜていくか後半だけ中低速で気泡を調えたりします。
更に、ボリュームをいつも同じにするため比重を測るお店もあります。
焼成温度は家庭用オーブンなら基本170℃から180℃で良いと思います。
大きさにもよります。
※パティスリー(洋菓子店)の場合2窯使って焼くお店も多くあります。
高温(220℃くらい)で8~10分、途中から170℃くらいの窯に移して30分くらい。
途中表面をカットすることで表面が綺麗に揃った焼き上がりにします。
先に表面を焼く事で水分を無駄に飛ばさないイメージもあります。
卵を少しずつ混ぜていくのは
「分離を避けるため」
と多くのレシピに書かれています。
では
「ナゼ分離を避けなければいけないのか?」
生地が分離すると折角
細かく整った気泡を沢山含ませても、分離によってその気泡が壊れ気泡同士がくっついたり生地から抜け出てしまったりします。
〈ボリュームは減り〉
〈気泡の大きさ〉
もバラついてしまいます。
卵が途中まで混ざった生地は頑張っても元の
整った気泡にはなりません。あせる
途中少し湯煎にあてたり少量の粉を入れると
分離は収まりますが
〈一度分離が進んでしまった後〉
はなんとか分離が収まっても気泡は消えていますので重い硬い食感の焼き上がりになります。
レシピに
「最初に材料を常温にしておく」
とありますがこの辺りが大きな理由です。
卵が冷たくても分離します。
※分離が心配な人には卵を全部混ぜ終わる前に一部の粉を混ぜる仕込み方が勧められているレシピが多いです。
「バターはポマード状に」
と書かれていますが硬ければもちろん混ざりにくいですし、夏など柔らか過ぎても綺麗な気泡を含ませることは出来ません。
〈程よく柔らかく〉
〈ホイッパーの抵抗も少し感じられるくらい〉
が良いと思います。
てろてろは良くない
この時電子レンジで温めても問題ありませんが、溶けてしまうとバターの乳化状態が壊れてしまいます。
一度壊れる(分離する)と一生懸命混ぜても乳化しませんので溶かしバターか焦がしバターなど他の使い方をしましょう。
「バター」についてお話ししたページです⇐よかったらどうぞ。
いかがでしょうか?
少し参考になったでしょうか?
このページでお話ししたようなことが書かれているレシピは
次のお菓子作りに繋がる
「良いレシピ」だと思います。📖
ちなみに
「キャトル キャール」
【quatre-quarts】
は日本の本では
「カトル カール」と書かれていたりもします。
※フランスで仕事をしていた時、会話のなかではどうしても
「キャッキャ」と聞こえていました。笑
それでは皆さん
愛ある一日を!
【Gâteaux de Voyage】
ガトー・ド・ボワイヤージュ
「ガトー」は「お菓子」
「ボワイヤージュ」は「旅行」
の意味で
旅行に持って行けるような
日持ちのするお菓子の事を
総じてフランスでは
【Gâteaux de Voyage】
ガトー・ド・ボワイヤージュ
と言います
「キャトル キャール」
【quatre-quarts】
もその内の1つです。
「ウィークエンド」などは
日持ちを良くするために煮詰めたアプリコットジャムを塗ったり
更にその上から糖衣で覆うなどして作られます。
他には「フルーツケーキ【Cake aux fruits】」
などアルコールに漬けたドライフルーツを使ったケーキや
香辛料を使ったケーキなども。