ガレット・デ・ロワ【Galette des rois】の話 | ~ 今日もいい天気 ~

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仏菓子職人&パティスリーインストラクターが
『美味しいものを正直に』お話するブログです。

おはようございます

今日もいい天気ですね!晴れ

 

 

「ガレット・デ・ロワ」

【Galette des rois】 

 (王様(女王様)のケーキ)

 

《1月6日》

フランスフランスでは街中のパティスリー(洋菓子店)で必ず売られています。ニコ

一人分の小さなサイズから

パーティー用の大きなサイズまで様々です。ウインク

 

写真の「ガレット・デ・ロワ」は

直径1メートル20~30センチくらいだったと思います

パリで働いていた時に作りました

パティスリーのオーブンではキレイに焼けないので

ブーランジェ(パン)用の大きなオーブンで焼きました

 

 

日本日本でもだいぶ馴染みが出て来た感じがします。

まだ「沢山売れる」というよりは

〈お店やシェフのこだわり〉

もしくは

「うちの店は本格的なフランス菓子を作ってます」フランス

とアピールの為に作っているお店もあります。

 

詳しい歴史、文化は学者さんにおまかせします。

ウシシうしっ!

 

 

このページでは私が直接

「見て目

「食べてもぐもぐ

「作ったあせる

「ガレット・デ・ロワ」

のお話をします。ニコ

 

私が仕事を始めた頃(1980年代)は一般的には日本ではまだほとんど知られていなかったと思います。

一部の洋菓子店のフランスで働いた経験のあるシェフ達が僅かに作っていただけだと思います。

おじさんが働いていたパティスリーはヨーロッパのお客様も多かったのでかなりの数を作っていました。得意げ

 

 

「ガレット・デ・ロワ」

「ピティヴィエ」

【Pithiviers】

というパイ菓子があります。キラキラ

「ピティヴィエ」はフランスの地名で、郷土菓子です。

本来は違う物ですが今ではほとんど同じ作り方をしています。

※クリームも仕上げも違い、少しこだわりのあるフランス人は文句を言うかも知れません。にひひ

大きな違いは中に

「フェーヴ【fève】」と呼ばれる

陶器の人形が入っているのが

「ガレット・デ・ロワ」

入っていないのが

「ピティビエ」

 

「ガレット・デ・ロワ」

1月の初めだけ

「ピティビエ」

一年中販売されています。

 

仕上げの模様なども違います。

「ガレット・デ・ロワ」

〈木の葉模様〉が一番オーソドックスだと思いますが、文字で

「ヴィヴ・レ・ロワ」

【Vive les rois】

と書いたり平行線の間を斜めに線を入れたりなど様々な模様があります。

 

「ピティビエ」の多くは

〈渦巻き状〉の模様で仕上げられ、現在はこの渦巻き模様も多くのパティスリーで

「ガレット・デ・ロワ」の仕上げとして使われています。

木の葉模様の「ガレット・デ・ロワ」

一度焼き上がったらすぐ粉糖をふりかけ

高温のオーブンに移し

キャラメリゼ(粉糖をキャラメル状に焦すこと)して仕上げます

こちらは👇「ピティヴィエ」

 

 

「ガレット・デ・ロワ」は地域によって違いがあり、一番多いタイプはパイ生地の中に

「フランジパンヌ」

【frangipane】

(アーモンドパウダーを使ったクリームにカスタードクリームを混ぜます)

を入れて焼いたタイプだと思います。

「ガレット・デ・ロワ・ア・ラ・フランジパンヌ」

【galette des rois à la frangipane】

 

私が働いていたパリのパティスリー(洋菓子店)では、見た目は同じで中に詰め物は無くパイ生地だけ成形して焼いた

「ガレット・フーレ

(スイマセンスペルが分りません・・・・しょぼん

と呼ばれている物も作っていました。

 

その他にも5円玉のように真ん中に穴が空いている物もあり、お店の軒先に物干し竿のような棒を横につるし、穴に通しディスプレーして売っていました。びっくり

 

 

ボルドーではブリオッシュ(バターと卵をたっぷり使ったパン)の生地で作る

「ガレット・デ・ロワ・ボルドレーズ」【Galette des rois Bordelaise】

もあります。

輪っかに成形してドレンチェリーやアンゼリカなどで華やかに仕上げます。さくらんぼ

 参考までに⇒

 Galette des rois Bordelaise - MyCuisine

 

 

 

 

「ガレット・デ・ロワ」の中に詰めるクリームはフランジパンヌが一般的ですが、プラリネやピスターシュ、プラム、レモンの皮のすりおろしなど混ぜるなどバリエーションが幾つもあるパティスリーもあります。ウインク

日本では抹茶あずきと言うのも見た事があります。

 

欠かせないのは

「フェーヴ【fève】」です。

1つの「ガレット・デ・ロワ」

1つフェーヴを中に忍ばせて焼きます。

(真ん中には入れません)

大きな「ガレット・デ・ロワ」だと何個か入れる事もあります。

 

元々フェーヴ【fève】はフランス語で

そら豆の意味で

以前はそら豆を入れていたようです。ほっこり

なぜ、いつから陶器の人形を入れるようになったのかはチラッと聞いたことはあるのですが…やっぱりフランスの歴史、食文化の偉い先生に聞いて下さい。

ウシシ

 

 

1月6日(公現節)のパーティーでは中が見えないようにカットして皆で一切れずつ食べます。

フェーヴ【fève】が当たった人はそのパーティーの主役(王様、女王様)になり金色の冠王冠2をかぶり

〈一年間良い事ある〉

と言われ祝福されます。クラッカー拍手

フェーヴ【fève】はものすごく沢山の種類がありコレクションしているフランス人が沢山います。

フェーヴ【fève】です

 

人形だけでは無く、建物や乗り物などもあってお子様も喜びます。爆笑

人形は色んな職業の人がいました。

ニコニコもちろんパティシエやブーランジェも

耐熱の

〈プラスチック製〉もありましたが、ほとんど人気はありませんでした。

ショックなんか平べったい・・・・・。

シラー可愛くない・・・・・。

 

 

 

仕込む時にフェーヴ【fève】

「入れ忘れる」

のはパティシエあるあるです。

ガーンあっー!入れ忘れたっ!⇒アセアセどしよ

後から無理矢理サイドに切り込みを入れて押し込みます。

にやり入れ忘れたことに気付かないのは最悪・・・・叫び

あらかじめ仕込む台数と同じ数のフェーヴを用意するなどします。にひひ

 

陶器で出来ているので日本では誤って噛んでしまい怪我をする方がいたので、今は

フェーヴ【fève】の代わりに

「アーモンド」などを入れ、

フェーヴ【fève】別添えのお店がほとんどだと思います。

ニコ説明は大事。

 

 

 

丸く平たいお菓子の事を総じて

「ガレット」と呼びますが

(クッキーやサブレなどガレットブルトンヌ

お菓子以外にもクレープ屋さんで

「ガレット」と言えば

〈そば粉〉を使った

お料理クレープの事で

レストランでも

「○○○のガレット仕立て」

などとメニューに書かれていれば

お皿の上に丸く平たく盛り付けされた料理です。

ほっこり丸い型を使ったりします。

 

 

 

ねー少し話は横道にそれます・・・・。

私は地方に行くと街のクレープ屋さんで食事をするのが楽しみでした。

ニコニコ音譜ワクワク

必ずその土地のチーズを使った

ガレットを注文していたのですがこれには理由があります。ほっこり

あるフランス人の友人から得意げに

「フランスフランスには街の数だけチーズがあるニヤリ

と言われていたからです。ほっこり

どの街のチーズもクレープ屋さんも土地柄が出ていてとっても美味しいです!

お願いおいじいぃ。

 

 

 

 

日本の12月はクリスマスサンタの準備で大忙しですが

「ガレット・デ・ロワ」

が沢山売れるパティスリー(洋菓子店)は同時期に仕込むので大変です。ぶーあせる

成形までして冷凍しておきます。にひひ冷凍庫がいっぱいっ!

 

 

フランスフランスのパティスリー(洋菓子店)ではクリスマスクリスマスツリーが終わってから仕込み始めていました。

数日間は狂ったように仕込みます。

おーっ!DASH!

フランス人(働き者筋肉限定)の爆発力はスゴいです。ドンッ

ちなみに新年は2日から仕事です。チョキ

 

 

それでは皆さんバイバイ

愛ある一日を!