おはようございます
今日もいい天気ですね!
「ウェディングケーキ」
についてお話しましょう!
「ウェディングケーキ」の由来など詳しい話は学者さんにおまかせします。
が、花嫁さん、花婿さん、お互いの家族の幸せを願って作られているという事は間違いないと思います。
以前バブル期の日本では結婚式場、ホテルなどで
『高さを競う』
ような
ウェディングケーキが主流だったと記憶しています。
!
現在はご結婚なさるお二人(男女に限りません)のご希望をお伺いして、デザインや内容を決める事が多くなりました。
良いこと!
やっぱり花嫁さんにとって
「ウェディングドレス」と
「ウェディングケーキ」
「結婚指輪」
は特別ですね。
街のケーキ屋さんでも
「ウェディングケーキ」
の注文を頂ける事があります。
レストランなどと契約しているお菓子屋さんもあります。
多くの場合2次会でご利用頂く
「ウェディングケーキ」です。
2次会
ホテルや結婚式場では持ち込みが出来ない事が多いので(食品衛生上の理由です)披露宴では言葉は悪いのですが
”それなりの”
ウェディングケーキを注文して
2次会など身近な仲間とお祝いする場は、持ち込みが出来るレストランなどに場所を移し新郎新婦にゆかりのあるデザインや好みのフルーツなどを使った
〈食べて美味しかったり〉
〈見て楽しかったり〉
するような
ウェディングケーキを街のケーキ屋さんが作らせていただく事が多いと思います。
もちろんちゃんと
「ウェディングケーキ」を作れるパティシエ(洋菓子職人)が働いているレストランなら、そのパティシエに相談して作ってもらえる事もあります。
金銭的なお話をするのはあまり好きではありませんが・・・
たまに人から写真を見せて頂きながら、
「このウェディングケーキ○万円だったんですよー!」
と言われる事があります・・・・・。
答えにこまる。
正直
(えっ?そんなにするの…)
と思う事が多く
(その結婚式場どうなの?)
とか感じてしまいます。
心の中だけです。
もちろん結婚式場によってシステムが色々ですので、ケーキは外注している所もあるので商売としてはそうなのかと一応理解はしています。
※卸専門でパーティー用のケーキを作っているお菓子屋さんもあります。
でもやっぱり内容と価格が
「おや?」
という違和感(割高感)を感じてしまう事があるという事です。
常連のお客様から
「ウェディングケーキ」の相談をされると
街のケーキ屋さんはおそらくみんな
めちゃくちゃ張り切ります。
がんばる!
私も何度も常連のお客さんから
「ウェディングケーキ」と
「引き出物」のご注文を頂いた事があります。
普段お買い物を楽しんで頂いているお客様から
「今度結婚するんですけど、こちらで引き出物と2次会用のウェディングケーキをお願い出来ますか?」
と相談されると私の場合ついついお祝いしたい感情で舞い上がり、ほとんど利益なしで注文を受けてしまいます。
※後からスタッフに怒られていました。
「シェフ、まじっすか!」
「ごめんなさい・・・。」
ヨーロッパでは国や地方で受け継がれている伝統的な
ウェディングケーキがあります。
私はヨーロッパで日本のようなスポンジのケーキを重ねる
「ウェディングケーキ」
を作った事がありません。
フランスでは
「クロカンブッシュ」
【croquembouche】
と呼ばれる
「ヌガチン」
【nougatine】
※砂糖を煮詰め、アーモンドスライスや刻みアーモンドを合わせて作ります。
ヌガーモンテリマール、ヌガーグラッセとは違います。
で作られた土台に、小さな丸いシューをカラメルでくっつけ円錐状に積み上げていく伝統的なお菓子が多く作られています。
※洗礼式などにも使われます。
上は結婚式 下は生誕祝い
2台とも小さめな物です。
(パリで働いていた時に作りました。25年くらい前)
大きな物は20~30㎝の高さのものを
2段、3段と分けて作り、式場に搬入した後積み上げ完成させます。
※2メートルくらいになる事もあります。
真っ直ぐ高く積み上げるのは大きくなればなる程難しくコツを掴むのには経験が必要だと思います。
ナゼか傾く・・・・・。
「クロカンブッシュ」は
「飴細工の花」や🌹
「ドラジェ【dragée】」で飾られます。
(糖衣掛けしたローストアーモンドもしくはチョコレート。白、ピンク、水色などに染められています)
「ドラジェ」
は誕生祝いにも配られます。
男の子は水色
女の子はピンク。
「クロカンブッシュ」
はハサミでパチンパチン切ってサービスします。
大きな「クロカンブッシュ」の場合はパーティーの途中で壊れるリスクがあるので、クリームは詰めずにシュー生地だけ積みます。
その場合一人4つくらいを目安にして別にクリーム入りの小さなシュークリームを用意します。
この小さなシュークリームを
「ヌガチン」で作った器に盛り付ける事もあります。
クリームを詰めるとシュー生地も湿気やすくなり、付けたカラメルも溶けやすくなります。
その為シュー生地自体もカリッとしっかり焼きます。
※乾燥焼きにする事もあります。
日本では湿度が高い日が多いので湿度に弱い「クロカンブッシュ」
の注文は慎重に受けます。
特に6月のウェディングシーズンは梅雨時期と重なるので正直怖いと思ってしまいます。
結婚式でウェディングケーキが壊れるほど縁起の悪い事は無いのではないでしょうか。
絶対
ツヤのある飴細工も溶けてツヤが無くなり壊れてしまう恐れもあります。
フランスで
「クロカンブッシュ」以外の場合
大きなケーキもしくは何台かのケーキを砂糖細工で飾り付けられた台にのせて華やかに仕上げたりします。
こんな感じ。
フィルム写真で暗くて、しかもピンボケでスイマセン
結婚式の写真は残ってなかったのですが
同じように作っていました
【結婚記念】
【お誕生日】
ルクセンブルクの結婚式では
「バウムクーヘン」
でお祝いする事が多いです。
※他のお祝い事にもよく使われます。
ルクセンブルクでは
「バウムクッフ」【Bamkuch】
と聞き取れる発音で呼ばれます。
おじさんの耳にはそう聞こえていました。笑
長いまま立ててサービスします。
高さは1m50㎝以上の物もあります。
テーブルの上に置くと見上げる感じです。
太さが下から上に向かって細くなります。
日本のような完全な円柱ではありません。
倒れないように金属や木で出来た芯棒の付いた土台に差すように立てます。
黒服(ウェイター)が少し大きなナイフとフォークを使い上から少しずつ
”削ぎ切る”
ようにしてサービスしていきます。
ちょーかっこいいです。
店舗で販売する時は程よい厚さにカットします。
直径が違う為大きさがそれぞれ違うので量り売りします。
生地を「仕込む」のも「焼く」のもめちゃくちゃ難しかったです。
微妙です。
特に「焼き」はデパートなどで見たことがある人もいると思いますが専用のオーブンで焼きます。
日本との違いは芯棒が端から端へ太さが違いますので
「何処の場所を食べても美味しく」
焼くには、
・軸を回転させる速度(手回し)
・火と生地までの距離(レバー)
・火加減(バルブ調整)
・扉の開け閉め(手でスライド)
全てに神経を使います。
しかもめちゃくちゃ暑いです!
あっ汗・・・
ガス式だと火加減のバルブは横並びにズラッと並んで数センチ間隔で付いています。
ひと目では幾つあるか分らない(数十個)ほど沢山あります。
私がルクセンブルクのパティスリー(洋菓子店)で働いていた時
生地の仕込みはさせてもらっていたのですが
「焼き」に関しては、オーナーが自ら首にタオルを掛けながら焼いていました。
私はサポートしながら見せてもらう事までしか出来ませんでした。
見るだけ。
オーナーは息子さんに「焼き」を教えていましたが、なかなか上手く焼けずパサついていたり、焼きが弱く焼いている途中で生地が芯から外れ
「ドサッ」
と落ちたりしていました・・・・・。
そのたびに生地を仕込み直すのは自分だったので
ちょっと・・・・・・・。
日本のほとんどの「バウムクーヘン」は太さは変わらず、表面は平らか波打っているタイプだと思います。
味も食感もルクセンブルクの物とは違います。
どちらも美味しいです!
「バウムクーヘン」の発祥地や歴史は学者さんにおまかせします。
ドイツ、フランス、オーストリアなど説があるようです。
ルクセンブルクでも伝統菓子とされています。
配合はそれぞれの国や地域、もちろんお店によっても違いますが国によって傾向はあるようです。
ちなみにルクセンブルクの
「バウムクッフ」は
〈カルダモン〉
〈トンカ豆〉
〈バニラ〉
〈レモンの皮〉
などが入り風味も個性的です。
ローマジパンとビターアーモンドも配合されていて芳ばしさもあります。
食感はドイツやオーストリアに比べると少し軽く口溶けも良いように感じました。
使っている粉類も違うと思います。
《ローマジパン・アーモンド》←についてはこちらのページで
少しお話しましたのでよかったらどうぞ。
《ルクセンブルク大使館》のホームページです。
観光のページもリンクされていますので、よかったらどうぞ。
これまで自分が
「ウェディングケーキ」
を作らせて頂いた夫婦皆さんが幸せな日々を過ごされていることを願っています。
それでは皆さん
愛ある一日を!
フランスの本より一部
【クロカンブッシュのページ】
【ヌガチンのページ】