おはようございます!
今日もいい天気ですね!
「エクレア」【éclair】
発音はカタカナで書くと
〈エクレール〉となりますが
最後の【r】は
はっきり「ル」とは発音しなくて、舌は使わず「う」と言いながら”うがい”するようにしながら抜いた感じです。
日本語には無い発音です。説明が難しい・・・・・。
ご存じの方もたくさんいると思いますが、元々の意味は「稲妻」です。バリバリッー!
私が製菓学校に通っていたときは
「長細く絞ったシュー生地の焼けた表面が割れて「稲妻」の様だからこの名前が付いた」
と教わりましたが他にも説があるようでどれが正解かは分りません。
「エクレア」はフランスで最も一般的なお菓子の1つです。
どの「パティスリー」に行っても
どの「ブーランジェリー(パン屋さん)」行っても売っています。
だいたい、売ってます。
和菓子屋さんが必ず
「大福」「串団子」
を売っているのと同じような感じだと思います。
だんごっ
だんごっ
パリの街では時々ビジネススーツ姿の
パリジャン・パリジェンヌ達が「エクレア」を食べながら颯爽と歩いていたりします。
やべっ!かっけー!
もちろん子供達も「エクレア」が大好きで、販売個数はほとんどのお店で一番多いと思います。
私は食べ歩きの時、地方の何処の地区のパティスリーを訪ねても
「エクレア」と「オペラ(チョコレートとコーヒーのお菓子)」はほぼ必ず食べていました。
「エクレア」と「オペラ」はどのお店にもあるので比較がしやすくお店の特色も見つけやすいと感じています。
まぁ、好きなんですけど・・・・!
数名以上パティシエがいるお店は若いパティシエがエクレアを担当する事が多いので
「エクレア」がキチンと作られているお店は先輩パティシエやシェフの指導が良く商品が全体的に安定していてレベルも高いと感じる事が多いのです。
フランスの多くの「パティスリー」でチョコとモカの2種類(もしくはバニラを加えた3種類)を作っています。
シュー生地はしっかりと焼き上げ(乾燥焼きさせている店もあります)
「カリッ」「サクッ」
とした食感です。
日本のは柔らかいじゃん。笑
〈クリーム〉はモカの場合インスタントコーヒーや液体の濃縮コーヒーを使う事が多いのですがコーヒー豆を牛乳で蒸らしてから漉してクリームを作っているお店もあります。
チョコのクリームは
に溶かしたチョコを混ぜて作るお店もありますが、チョコレートの固まる力で出来上がったクリームが硬く締まった感じになるのを避けるため〈粉の少ない配合〉で
「カカオパート」
(お砂糖など入らないめちゃくちゃ苦いチョコのもと)
などを加えて作ったりしています。
※チョコもモカもホイップクリームを合わせている店もあります。
シュー生地が水分を吸って食感が
「くたくた」
になるのを避けるため一日に
”2度・3度”に分けて作っている店や
クリームを「カスタードクリーム」では無く、
「クレーム ムースリーヌ」
【Crème mousseline】
を詰めている店もあります。
「クレーム ムースリーヌ」
は簡単に説明すると
「クレーム・パティシエール(カスタードクリーム)」(厳密には配合は違います)
にバターなど油脂を加えパタパタと空気を含ませたクリームの事で「バタークリーム」に近いクリームです。
油脂が入っているのでシュー生地に水分が移りづらくしっかりした状態が長めに保てます。
※小さな丸いシューにカラメル(飴)を付けて高く積む
「クロカンブッシュ【croquembouche】」(フランスの結婚式などお祝い事に使われます)のクリームにも向いています。ご存じない方もいると思いますので、一応写真を下に張っておきます。
クレームムースリーヌはその他にも、水分の出やすいフルーツを使ったお菓子などにも使われます。
「エクレア」の仕上げは主に
糖衣「フォンダン」
【Fondant(e)】
を使います。
フォンダンは直訳すると「溶ける」と言うような意味です。
ほとんどの「パティスリー」で出来上がったフォンダンを買って使っています。
オリジナルのフォンダンを作って使っている店はまだ見た事がありません。
※一応「フォンダン」の作り方
砂糖を115℃まで煮詰めて大理石に流し、冷めてきたところで練りながら更に冷やし再結晶化させ作ります。
(アイシングとはチョット違います)
「フォンダン」の使い方は
鍋などにフォンダンを入れ湯煎にかけながら練り少しずつ温度を上げ、シロップで硬さを調節して使います。
(電子レンジで温める店もあります)
温度を上げ過ぎると冷えたときツヤが出ず美しくありません。
・・・・。ショック。
一度温度が上がり過ぎた(大体40℃以上)「フォンダン」は結晶が大きくなっているので
”冷ました後に温め直して使っても”
キレイなツヤは出ません。
※食感もザラつきます。そーだったのか・・・。
「エクレア」は
〈カスタードクリーム〉
〈シュー生地〉
〈フォンダン掛け〉
ととても重要な基本作業
〈クリームを作る〉
〈生地を絞る〉
〈微妙な温度感覚)
を身に付ける為にも大きな意味があると思います。
フランス人は、最初は皆やる。
日本では
フォンダン掛けをする
「エクレア」
は余り作られていないので日本人パティシエがフランスへ働きに行くと、戸惑う事が多い様です。
えっえっ
フランスでは日本人が初めて働くとき、その能力を見るために(基本が出来るか)、最初にシュー関係の仕事を振り当てる
「パティスリー」は多いのです。
多いよね。
シュー生地とカスタードクリームまでは問題ないと思いますが
フォンダン掛け
の作業は日本で経験していない人が多く、そこで戸惑うと
「出来ない日本人」と思われる事があります。
ほかの事は出来るのに・・・・。
将来フランスで働きたいと考えている若いパティシエはフォンダンに慣れておいた方が良いと思います。
がんばって!
ここ数年カラフルな仕上げのエクレアも多く出て来ました。
「エクレア」にもそれぞれの「パティスリー」の個性や芸術性が込められてきています。
フランス人によるフランス菓子の進化はすごいです!
フランス人、やっべーっぞ!
新しい「技法」や「芸術性」
「食材への興味」は
伝統を踏まえながら
「越えてくる」感じです。
もちろんクラシックでめちゃくちゃ美味しい「エクレア」ともたっくさん出会えます!
かんどーします・・・・。
エクレアのひと口目
上唇にフォンダンが触れた瞬間の
あの暖かみのある
あの感じが好きです。
誰か、わかってもらえるかなぁー?
それでは皆さん
愛ある一日を!
チョコのエクレアです。
シュー生地にもカカオパウダーを入れてチョットほろ苦い感じです。
(ロゴマークはぼかしてあります)
辞書の「フォンダン【fondant】」のページです。
パリのパティスリーで働いていたときに作った
洗礼式のクロカンブッシュです。
毎週のようにオーダーが入ってました。
古い写真(フイルム)でスイマセン