ソフトバンクのサーバがダウンしていて、お店に行ったら「機種変の登録ができないのです、すみません・・」と平謝りにされましたが、現実が変わるわけでもなく。その後ジム→食事→カフェとそのお店の近くにいたところ、急に古いiPhone 3GSの電波が切れたので、ひょっとして、と思って携帯屋に行ったところ、晩の9時前になってようやく登録ができたとか。いやー、粘ってみるもんだなあと。
Twitterを見ていると、そこらで端末の受け取りができないだの、朝から並んでいるのに夕方になっても終わらないだの、ひどい話がいっぱい。これはソフトバンクが騒動を大きくするために敢えて仕組んでいるのではないか、という噂もありましたが、いずれにしても、ソフトバンクの対処は相変わらずひどいなあと思いました。
閑話休題。
今日は、弁理士会主催の「著作権契約講座」を受けてきました。ふだんは著作権を直接取り扱う業務は殆どしていませんが、やはり何らかの形で勉強する機会を作らないとな、と思って受講しました。
特にメモっておこうと感じた点について述べておきます。なんか、議事録っぽいですが。
(1)著作権契約の種類
・譲渡契約(著作権の全部/一部を他人に譲渡する契約。著作物の制作請負契約と一体化したものが多い)
・許諾契約(著作物の使用/利用を他人に許諾する契約。出版権の設定など)
・信託契約(著作権を条件付で他人に譲渡し、その他人に対して信託受託権を有することとなる契約。JASRACなどの音楽著作権管理団体でこの契約が採られる)
(2)契約の種類
・諾成契約と要物契約
諾成契約:当事者だけの合意だけで成立する契約(←著作権契約)
要物契約:物の引渡しがあって成立する契約
・要式契約と不要式契約
要式契約:契約上の意思表示が一定の方式の下に行われた場合に有効な契約
不要式契約:契約書等の形式を必要とせずに有効な契約
(3)契約不履行の場合の弁済
・契約履行の強制(民法414条)
契約不履行があった場合は、契約当事者は他方の当事者に対して契約内容の履行を求めることができる。
・契約違反に基づく損害賠償請求(民法415条)
契約違反により、一方の当事者が損害を受けた場合には、その損害を契約の相手方に請求可能(債務不履行の事実があること、債務者に帰責事由があること、その債務不履行によって損害が発生した因果関係があること、の3要件を満たす必要がある)
・契約解除(民法541条)
債務不履行があった場合など、一定の場合に契約を解除できる。
(4)契約の成立と終了
・契約の成立
申込と承諾が合致した時点で契約は成立する。
・契約の履行
双務契約(当事者の両方が債務を有する)の場合、双方の債務が弁済された時に契約が履行されたこととなります。片務契約では、債務を有する側の債務が弁済されたときです。
・瑕疵担保責任(民法570条)
売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合の問題。例えば、著作権に瑕疵があった場合に、権利の譲受人は契約の解除、又は損害賠償を請求できる。
・契約の終了
-債務の弁済(幸せな終了)
当事者双方の債務が弁済されることで、契約終了。または、契約期間が終了した場合。
-約定解除権の行使(民法540条、ちょっと不幸な終了)
契約書中に当事者のいずれかから一定の告知期間を決めて行使可能な契約解除権を規定している場合。
-法定解除権の行使(民法541条、とっても不幸な終了)
民法所定の条件を満たした場合に契約を解除可能。
(5)そもそもなぜ契約が必要か。
著作物の原作品の譲渡は、著作権の譲渡とは別問題であり、目に見える譲渡とは別の形式で決めごとを作っておく必要があります。すなわち、どれだけ多額のお金を払ったとしても、契約上明記されていなければ著作権が譲渡されたとはみなされません。また、たとえ著作権をもらったとしても、著作者人格権が著作者に残るので、翻案にはその権利の帰趨の取り決めが必要です。著作権の利用許諾を受けた場合、どの範囲で許諾したのかもめることが多いです。口約束だけだと、契約当事者間で違った理解をしていることがあり、後でトラブルが多発します(特に商品が大ヒットした場合とか)。
(6)契約でも独占禁止法で禁止される行為はNG。
私的独占(独禁法3条前段)、カルテル等の不当な取引制限(独禁法3条後段)、差別的対価、抱き合わせ販売、再販価格拘束、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法(独禁法19条)などが禁止されます。
不公正な取引方法とは・・・共同の取引拒絶、差別対価、取引条件等の差別的取扱、不当廉売、不当高価購入、ぎまん的顧客吸引、抱き合わせ販売、排他条件付き取引、再販売価格の拘束、拘束条件付取引、優越的地位の濫用、競争者に対する取引妨害、競争会社に対する内部干渉などです(昭和57年6月18日公正取引委員会告示第15号(一般指定))
(7)共有権利関係の整理(民法/特許法/著作権法)
・民法
自分の使用:持ち分に応じて使用可能(民法249条)
他人への使用許諾:持ち分による多数決(民法252条本文)
訴訟(差止請求):単独可(民法252条但書)
訴訟(損害賠償請求):持分に応じて可
・特許法
自分の使用:共有者の同意不要(特許法73条2項)
他人への使用許諾:共有者の同意要(特許法73条3項)
訴訟(差止請求):単独可
訴訟(損害賠償請求):持分に応じて可
・著作権法
自分の使用:共有者の合意必要(著作権法65条2項)
他人への使用許諾:共有者の合意必要(著作権法65条2項)
訴訟(差止請求):単独可(著作権法117条1項)
訴訟(損害賠償請求):持ち分に応じて可(著作権法117条1項)
(8)契約自由の原則(民法91条)
契約を結ぶか否か、契約の内容や書式をどうするのかは、当事者の自由です。また、契約によって、法律の公の秩序に関しない規定(任意規定)と異なる内容を規定することは自由です。公の秩序に関する規定(強行規定)に反する契約は、無効となります。

にほんブログ村