SNSには、荒唐無稽な陰謀論や物理法則、科学技術としてはありえない疑似科学が満ち溢れています。

 

ところで、マイクロ波聴覚効果という物理現象であっても、疑似科学と誤解を受けることは多々あるのが現実でして、一部ないし多数は、マイクロ波が一定の条件で音として聞こえるというのは疑似科学と即断することもあれば、検討した上で疑似科学と判断することがあります。

 

マイクロ波のような電波であっても音波であっても学術流域は物理学になりますので、大学で物理学に関連する学部学科を専攻し、卒業しているときには、マイクロ波聴覚効果に関する物理法則は理解することはできるでしょうね。

 

一方、大学教育を受けていても、生命科学の知識しかないときには、マイクロ波聴覚効果に関する細かな議論は理解できないことは十分に想定されます。生物物理となりますと微妙なところはありますが、マイクロ波聴覚効果について理解する基礎知識がある人もいますが、このような基礎知識が怪しい人もいるでしょうね。

 

このようなことをつらつらと検討いたしますと、専門家といっても自分の専門分野、自分の研究分野に詳しいだけで、自分の研究分野以外となると、知識といいますか、推論する能力、思考する能力は怪しいことがあります。

 

生命科学の専門家、心理学の専門家などは、「精神医学が永年に渡って、電波妄想という症状を繰り返し流布しているので、電波妄想は正しいに違いない」という先入観、偏見、現代の迷信があまりにも強すぎる一方、電波、音波に関する専門知識は通常、疑問です。

 

また、精神医学の専門家となりますと、科学として正しいことよりも、電波妄想を訴える人を患者ということにして、売り上げ、利益を追求するのが重要なのでしょうね。精神医学系学会は、精神医学に関する真実を追求するより、精神医学を通じて利益を追求するという傾向が強すぎます。

 

精神医学関係者の一部、多数、大多数のいずれかは、電波妄想という嘘を流布して、患者さんを作出し、利益を追求する悪徳商法に関わっているのでしょうね。

 

ところで、精神医学に反対するアメリカ人精神科医トーマス・サズは、精神疾患は魔女狩りと同様と立論しています(文献1)。16世紀から18世紀にかけて、魔女は実在すると強行に主張するとともに、魔女はどのような存在か詳細に解説することで、裁判で魔女と断定された人が多数いました。トーマス・サズは、このような症状があると、この精神疾患という類型化を一般社会に流布することにより、精神疾患の患者さんを製造していると主張しています。

 

大まかな目安としては、病理学が成立しない精神疾患、即ち、脳という構造に異常が観察されない精神疾患は、疑似科学でしょうね。

 

ところで、私は、「統合失調症は神経病理学者の墓場である」という見解を採用しています。ただし、公平を期するために、この見解に対しては、反論がある旨も言及いたします(文献2)

 

文献

1. Thomas Szasz, The manufacture of madness; A comparative study of the inquisition and the mental health movement, Syracuse university press, 1970

 

 

 

 

2. 大石修司、統合失調症は,本当に神経病理学者にとって墓場か?

日本生物学的精神医学会誌 30(4):141‑146, 2019