日本弁理士会会則(会則第17号)を参照いたしますと、互選に関する規定は複数、設けられています。

 

例えば、日本弁理士会会則(会則第17号)75条3項は、常議員会の議長及び副議長は、常議員の互選により定める旨を規定します。また、日本弁理士会会則(会則第17号)82条3項は、監事会の監事長及び副監事長は、監事及び外部監事の互選により定める旨を規定します。更に、日本弁理士会会則(会則第17号)91条は、総会の議長は、総会に出席した弁理士の互選による旨を規定します。

 

いずれの規定であっても「互選」という用語は、同一の意味であると解されます。

 

日本弁理士会会則(会則第17号)に「互選」という用語について定義はされていませんが、法令用語では、互選とは、選挙権者の範囲と被選挙権者の範囲が一致する選挙を意味いたします。

 

互選といっても、候補が1人のときには、その1人に決定し、格別に問題はありません。

                                                                                                                                  、

問題は候補が複数のときに、どのような手続きで1人を選出するかということになります。

 

互選に関する手続規定が設けられているときには、この手続き規定に従えばよいのです。

 

ところで、日本弁理士会の会則、会令、会規には互選に関する手続きは設けられていません。

 

そこで、どのような手続きで互選するかということが問題になります。

 

互選が選挙に発展した場合には、選挙に求められる基本的な原理として、一人一票、多数決原理、投票の秘密、選挙管理人ないし選挙管理委員会の中立が求められるかと存じます。

 

また、憲法15条4項に選挙における投票の秘密が規定されているのですが、投票の秘密については、日本弁理士会で行われる選挙にも当然に適用されると解されます。

 

互選に関する手続きが規定されているときには、無名投票について規定することにより、投票の秘密を担保しています。