蔵本モデルを表現する数式には、位相θ及び位相差が明記されているので、今回は位相の概略を説明いたします。

 

メトロノームが静止し、振り子が鉛直方向にあるときの角度は0度とします。

 

ここで、2つのメトロノームが規則正しくリズムを刻んでいるとき、一方のメトロノームの振り子がプラス5度からマイナス5度まで振れている一方、別個のメトロノームの振り子がプラス6度からマイナス6度まで振れているとします。

 

蔵本モデルの数式を使って、二つのメトロノームの位相差を計算するときに、6度-5度=1度というように位相差を計算しないのです。

 

メトロノームの振り子がプラス5度からマイナス5度まで振れているときであっても、メトロノームの振り子がプラス6度からマイナス6度まで振れているときであっても、点が円上を回転運動しているモデルに変換いたします。これに伴って、1周期は2πに変換することになります。

 

蔵本モデルでは、1周期が2πであることを前提として、位相差を求めます。