12月9日(土曜日)に帝京大学板橋キャンパスで生理学東京談話会が開催されました。日本生理学会が東京談話会を主催していますが、日本生理学会の会員となっていることもあり、この東京談話会に出席いたしました。

 

生理学は解剖学と同様に基礎医学ですが、解剖学は身体の構造に関する学術領域であるのに対して、生理学は身体の機能に関する学術領域になります。

 

日本生理学会の会員の大多数は大学医学部生理学教室に所属しているか、医学部生理学教室の出身者になります。

 

ところが、私は医学部出身でないのにもかかわらず、日本生理学会の会員となっています。

 

その経緯となりますと、2013年3月27日から29日に日本生理学大会が東京都江戸川区にあるタワーホール船堀で開催されたことにまで遡ります。

 

日本生理学大会が開催された会場がある江戸川区は、北海道とか九州などと比べると近いということもあり、とりあえず日本生理学大会の会場まで出かけたのです。友人、知人に生理学者がいるというわけでなく、単身で会場まで出向きました。

 

その当時は日本生理学会の会員ではなかったのですが、非会員向けの参加費を支払うことで日本生理学大会に参加することができました。

 

この日本生理学大会の受付で日本生理学会の会員になれるか否か問い合わせたところ、会員申込書を渡されました。所定事項を記入し、その場で提出し、2013年4月に日本生理学会に入会が認められました。

 

ところで、私にとっては、日本生理学大会に参加することが目的だったというわけではなく、日本生理学大会でマイクロ波聴覚効果、即ち、マイクロ波が一定の条件で音として聞こえるという現象を発表したかったのです。

 

精神医学関係者が中心となって、電波妄想という症状を流布しているのですが、一般社会は、電波は聞こえないとして受け止めており、電波が聞こえないのは社会常識になっています。

 

しかしながら、誰であっても、ある特定の条件でマイクロ波は音として聞こえるものであり、この条件のマイクロ波が聞こえるというのは、正常な聴覚の機能になります。

 

聴覚などの感覚に限られず、人間の正常な機能となりますと、生理学という学術領域になるので、日本生理学大会などでマイクロ波聴覚効果について発表しようという目標がありました。

 

その後、なにかと紆余曲折はあり、日本生理学大会でマイクロ波聴覚効果を発表するという目標はまだ達成していないのですが、2018年12月15日に埼玉大学で開催された第248回生理学談話会でマイクロ波聴覚効果について発表しています。

 

ちなみに、2016年4月に電子情報通信学会マイクロ波研究会、2016年5月に情報処理学会音学シンポジウム2016、2019年3月18日に日本化学会第99春季年会でもマイクロ波聴覚効果について発表しています。ポイントは多少、異なっていて、音学シンポジウムでは骨伝導という点を強調し、日本化学会春季年会では水の熱膨張という点を強調しています。

 

日本精神神経学会でマイクロ波聴覚効果といいますか、電波妄想は間違っているという趣旨で発表することを求めて、2019年8月には、東京簡易裁判所に民事調停を申し立ています。弁護士に委任することなく、本人調停になります。

 

ここで、日本精神神経学会の会員は約1万8千人であり、日本国内の精神科医のほとんど全てが日本精神神経学会の会員となっています。私の見解では、電波妄想という疑似科学を流布する元凶になります。

 

日本精神神経学会では、電波妄想という疑似科学に関する発表を容認する以上、マイクロ波聴覚効果について発表することを認める責務があると立論いたしました。

 

民事調停では、マイクロ波聴覚効果に関する証拠、特に学術論文も提出いたしましたが、結局、調停は不調に終わりました。

 

調停委員は、法律専門家ですが、マイクロ波聴覚効果のような科学技術に関する専門家ではなく、マイクロ波をネコの頭部に照射して、聴覚誘発電位を計測したというような実験を評価することができなかったのが一因と推測しています。

 

東京地方裁判所で訴訟という選択肢もあるといえばあるのですが、学会発表を認めるというような形成訴訟は、民事訴訟法の理論から無理筋なのは明らかであり、学会発表をする地位にある旨を確認するという確認訴訟にすることになります。そうすると、要件事実はどうなるのか考え出しているうちに訴訟を通じて学会発表という方針は断念しました。

 

その代わりに、精神医学の近接領域でマイクロ波聴覚効果について発表するという方針を採用し、2021年3月に第40回日本社会精神医学会、2022年に日本認知科学会の研究会、2023年10月に日本電磁波エネルギー応用学会などでマイクロ波聴覚効果について発表しています。