日本ポジティブサイコロジー医学会が主宰する第12回日本ポジティブサイコロジー医学会学術集会が、2023年11月19日(日)に慶應義塾大学三田キャンパスで開催されましたので、この学術集会に出席いたしました。単に出席しただけであり、発表したというわけではありません。

 

今回の学術集会では産業医の講演が多いという印象を受けました。企業が従業員のメンタルヘルスをどのように管理しているのかという現状に関する講演があったのですが、興味深く拝聴いたしました。

 

ここで、産業医は企業内で従業員の健康を管理する医師であり、労働安全衛生法に産業医に関する規定が設けられています。

 

ところで、田中克俊北里大学大学院産業精神保健学教授は、ホーソン実験を紹介いたしました。田中教授は、ホーソン実験以外についても講義なさったのですが、特にホーソン実験について印象が強かったので、メモしておきます。

 

ここで、ホーソン実験とは、米国企業ウェスタン・エレクトリックのホーソン工場(イリノイ州シカゴ)で1924年から1932年に実施された実験のことなのですが、この講演を拝聴しつつ、この実験には隠れた目的もあったのではないかと想像していました。単なる想像であり、事実の主張というわけではありません。

 

米国シカゴにあるホーソン工場では継電器(リレーともいう)を製造していたのですが、ホーソン実験を通じて工員を詳細に監視しつつ、継電器に関する秘密が漏洩しないよう管理していたというように想像しています。

 

このような想像の背景について簡単に補足いたします。

 

ウェスタン・エレクトリックという企業はAT&Tの製造部門になります。AT&Tの研究成果のなかには、軍事通信、秘密無線通信などもありますが、これらの軍事通信、秘密無線通信に用いられる電子機器を大量生産する企業となると、ウェスタン・エレクトリックになります。

 

継電器は通信に用いられる電子機器になりますが、軍事通信、秘密無線通信であっても継電器は用いられます。また、軍事通信、秘密無線通信に用いられる継電器となると、防衛秘密、国家機密とされているのは確実ですね。

 

工場に勤務する工員には継電器を製造している旨は伝えるでしょうが、その詳細は伝えないのではないのかな。

 

例えば、継電器を組み立てるときに、100工程があるとします。そうすると、100のグループが各工程を担当するようにします。そうすると、一つのグループは100工程の一つのみに関する組み立てなどの詳細は分かるのですが、残りの99工程は全く分からないようにします。一つの工程が分かるだけでは、継電器を再現できないので、秘密は漏洩しないということになります。