このブログでは、機械が自由意思に介入する決定論の世界があるのではないか、というテーマに言及することがありますが、今回は、決定論の世界について、ヘーゲル哲学という観点から考察いたします。

 

ドイツ人哲学者ヘーゲルの弁証法では、テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼという3段階があるとされていますが、これらの3段階は、定立、反定立、総合と翻訳されることもありますし、正反合と短く翻訳されることがあります。

 

ここで少し脱線するのですが、ジンテーゼというドイツ語の訳語としては合成も可能であり、ドイツ語で化学反応に関する文献を読んでいると、化学合成という意味でジンテーゼという用語が使われています。

 

さて、ヘーゲル哲学に戻りますと、テーゼ及びアンチテーゼが止揚し、新たにジンテーゼを生み出すとされています。

 

そこで、ヘーゲルの弁証法については、次のように考えることもできるのではないだろうか。

 

テーゼの段階

 

千葉大学園芸学部の卒業生が加害者となって、リンゼイ・アン・ホーカー殺人事件を起こし、刑事裁判で有罪判決を受けました。

 

アンチテーゼの段階

 

千葉大学園芸学部の卒業生が殺人事件の被害者となって、加害者が刑事裁判で有罪判決を受けました。

 

シンテーゼの段階

 

千葉大学園芸学部に2023年1月に「宇宙園芸研究センター」が設立されました(文献)。宇宙飛行士のために、月面など宇宙で食料を生産する研究がされます。

 

止揚という単語は、否定、保存、高揚という3つの異なる意味があり、なかなか理解が難しいのですが、園芸が地上から宇宙空間に移行するのも止揚という抽象的な用語の意味に含まれると解釈することも十分に可能かと存じます。

 

文献

“月面農場”実現へ 千葉大学に“宇宙園芸研究センター”

千葉放送局記者・大岡靖幸、2023年5月23日、NHK千葉放送局

https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/article/013/11/