カロリーという単位は国際単位系で採用されていないので、物理化学、熱化学などでは昔ほど一般的に用いられていない。

 

1カロリーは、1気圧で水1グラムを1℃、加熱する熱量と定義されることがある。

 

ところが、圧力が1気圧と一定に維持されている条件で1グラムの水を15℃から16℃にまで加熱するときに必要な熱量と、20℃から21℃にまで加熱するときに必要な熱量は若干、異なる。

 

このような実験結果を反映して、14.5℃の水を15.5℃にまで加熱するのに必要な熱量は15℃カロリーであり、19.5℃の水を20.5℃まで加熱するのに必要な熱量は20℃カロリーというように、t度カロリーが定義されることもある。

 

カロリーという単位は厳密に定義するのが困難なので、SI単位系に採用されていない。

 

しかしながら、正確性に欠けてもよいときには、カロリーという単位はなかなか便利である。

 

例えば、1気圧で1グラムの水を0℃から100℃まで加熱するのに必要なエネルギーは100カロリーと簡単に計算することができる。

 

ちなみに、1気圧で100℃の水という液体、1グラムが100℃の気体に変換するときに必要な熱量(蒸発熱)は539カロリーである。

 

要するに、水が100℃で蒸発するときに必要なエネルギーは、水が0℃から100℃まで加熱するのに必要なエネルギーの5倍以上になる。