今週末、12月18日、日曜日、午前9時から日本科学振興協会、JAASの会員向けに「マイクロ波が骨伝導で聞こえる」というテーマをオンライン発表いたします。
JAASで発表するといっても、マイクロ波聴覚効果はJAASの公式見解ではなく、私の個人的見解になります。
皆さん、電波は聞こえないという先入観に囚われているのですが、電波の一種であるマイクロ波は条件によっては音として聞こえます。主な条件は、周波数は200メガヘルツから8ギガヘルツ前後であること、波形が連続波でなく、矩形波であること、矩形波のパルス幅は1ミリ秒以下であることなどです。
このような条件を満たしたマイクロ波が頭部に照射されると、頭部でマイクロ波が音波に変換し、この音波が骨伝導で聴こえます。マイクロ波が音波に変換する機構は、頭部に含まれる水の急激な熱膨張です。急激な熱膨張で圧力が発生するのですが、これに伴って、水を媒質とする音波が発生します。ちなみに、急激な熱膨張で音波が発生する現象は、雷の雷鳴になります。
ここでは要約に留めていますが、当日は詳細にこれらの現象について解説いたします。
文献
小池誠,“マイクロ波聴覚効果の解説~電波が聞こえる現象の再発見~”,電子情報通信学会技術報告, vol. 116, no. 13, MW2016-8, pp. 39-44, Apr. 2016.
https://www.researchgate.net/publication/302886318_Review_of_microwave_auditory_effect_rediscovery_of_radiofrequency_hearing_phenomenon