回転ずしチェーンを運営する会社の社長が、以前、勤務していたライバル会社の仕入れデータを不正に取得したという容疑で、営業秘密侵害罪で逮捕されました(文献)。

 

訴訟では、営業秘密に該当するか否かが争点になることがあります。

 

不正競争防止法では、営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう、と定義されています(2条6項)。

 

営業秘密が成立する要件は、

「秘密として管理されている」という秘密管理性、

「生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報」という有用性、及び

「公然と知られていない」という非公知性があります。

 

今回は仕入れに関するデータが問題となっているのですが、

報道の範囲であっても、有用性の要件は満たすのは明らかです。

 

ところで、知的財産法の世界では民事事件が多い一方、刑事事件に発展する事案はそれほど多くありません。

 

とはいっても、不正競争防止法違反、著作権法違反、商標法違反では刑事事件が成立することがあります。

 

文献

かっぱ寿司運営会社社長逮捕 不正競争防止法違反疑い 警視庁

NHK newsweb, 2022年9月30日