日本の工業所有権法、知的財産法は、国際法に大きな影響を受けている。

 

日本は明治32年(1899年)にパリ条約に加盟したが、パリ条約には優先権が規定されている。

 

昭和60年(1985年)に特許法が一部改正され(昭和60年法律第41号)、国内優先権が設けられた。その当時、国内優先権は特許法第42条の2、第42条の3に規定されていたが、その後、条文番号が移動している。

 

国内優先権は、パリ優先権とほぼ同様の制度となっているのだが、優先権については、国際法が先行し、その後、国内法が整備されたということができる。

 

昭和31年(1956年)に日米防衛特許協定に附属する議定書に、協定出願及び準協定出願は公開されない旨が規定されている。

 

令和4年(2022年)に制定された経済安全保障推進法には、特許出願の非公開制度が設けられている。

 

そうすると、特許出願の非公開制度についても、国際法が先行し、その後、国内法が整備されたということができる。