インディゴというブログ記事の続きというか、補足になります。
インディゴは、水に不溶ですので、糸、布などを染色することができます。
一方、インディゴの前駆体であるロイコインディゴは水に溶解するので、ロイコインディゴ水溶液で糸、布などを染色し、その後、空気中の酸素でロイコインディゴを酸化して、ロイコインディゴをインディゴに変換します。
この酸化反応で、ロイコインディゴの炭素ー炭素単結合(下記の図で一本の青い線)が、インディゴの炭素―炭素二重結合(下記の図で二本の青い並行線)に変換します。
前回のブログ記事を補足する事項としては、ロイコインディゴのような炭素と炭素の単結合の場合、単結合を軸として、インドール骨格が回転することができるということになります。
インドール骨格では、ベンゼン環を構成する6個の炭素原子と、ピロール環を構成する4個の炭素原子と1個の窒素原子は、同一平面上にあります。
言い換えると、インドール骨格は、芳香族となっています。
ロイコインディゴでは、2つのインドール骨格が、単結合で化学結合しているのですが、この単結合を軸として平面上のインドール骨格が自由に回転することができるということになります。
一方、インディゴでは、2つのインドール骨格が、二重結合で化学結合しているのですが、この二重結合を軸として平面上のインドール骨格は回転することはできません。
2つのインドール骨格は、同一の平面上になり、インディゴは全体として芳香族となっています。
ロイコインディゴでは、芳香族性は単独のインドール骨格に留まり、二つの芳香族部分があります。これに対して、インディゴでは、芳香族性は単独のインドール骨格に留まらず、インディゴ全体で芳香族となっています。
ロイコインディゴとインディゴの化学構造の差異により、水への溶解度が全く異なります。即ち、ロイコインディゴは水に溶解するのに対して、インディゴは水に溶解しないのです。