先日、雑踏を歩くウルトラマンを動画撮影しているのを目撃したのですが、今回は、ウルトラマンの動画をネットにアップロードする行為は、著作権を侵害するか否か検討します。
ウルトラマンに関する著作権者がウルトラマンの動画をネットにアップロードするのは問題ないですし、著作権者から正規に利用許諾を受けている人も同様に問題がありません。
それでは、著作権者でもなく、かつ、著作権者から利用許諾を受けていない第三者がウルトラマンについて撮影して、その動画をネットにアップロードする場合は、どうなるのでしょうか。
このあたりでややこしいのは、著作権法に定める二次著作物が関わってきます。
雑踏を歩くウルトラマンについて、撮影し、編集した人が、動画の著作権者になりますが、著作権法という観点では、二次著作物の著作権者になります。
一方、1966年7月からTBSテレビ系列でウルトラマンシリーズが放映されましたが、円谷プロダクションがウルトラマンシリーズを特撮しています。
こちらが一次著作物の著作権者ということになります。
ところで、著作権には存続期間があり、著作権法改正により、2018年12月30日以降は、存続期間は50年から70年に延長されています。
1966年から50年というと、2016年になります。初年度を期間に算入しない場合であっても、2017年12月31日で著作権の存続期間は満了します。
そうすると、1966年7月にテレビ放映された初代ウルトラマンについては、既に一次著作物の著作権が消滅し、パブリックドメインになっています。
要するに、著作権法という観点では、初代ウルトラマンに関する一次著作物は誰でも利用することができ、一次著作物については著作権の侵害は成り立たないということになります。
そうすると、初代ウルトラマンの一次著作物に基づいて、自由に二次著作物は制作できるということになります。
ところで、ウルトラマンといっても、ウルトラマンギンガ、ウルトラマンオーブ、ウルトラマンジード、ウルトラマンタイガなどアレコレありますが、これらの最近のウルトラマンについては、まだ著作権は有効に存在しています。
初代ウルトラマンに限定して、著作権の存続期間は終了した旨を述べているだけです。
とはいっても、権利関係は何かと複雑です。ここでは、著作権法について検討しているだけです。著作権法以外にも多種多様な法律がありますので、別個の法律に違反する可能性は全く検討していません。