2016年4月に電子情報通信学会マイクロ波研究会でマイクロ波聴覚効果について発表する機会があったのですが、この発表が契機となって、次から次へと学会の会員となり、現在では10を超える学会の会員になっています。

 

そのうちの一つが日本比較生理生化学会になりますが、その学術領域は、哺乳類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫などの生理学及び生化学になります。

 

日本比較生理生化学会は、会誌「比較生理生化学」を年に3回、発行しています。

 

この会誌「比較生理生化学」の最新号、即ち、2022年第1号は、2021年12月4日及び5日に札幌とオンラインでハイブリッド開催された日本比較生理生化学会第43回札幌オンライン大会特集になります。

 

第43回札幌オンライン大会の抄録が、「比較生理生化学」2022年第1号に掲載されているのですが、13ページに”Mechanisms of microwave heating in microwave auditory effect”、仮訳「マイクロ波聴覚効果におけるマイクロ波加熱機構」というタイトルの演題の抄録が掲載されています。発表者は私、小池誠になります。

 

抄録は英語なのですが、日本語に直訳しただけでは、一般人には難しくなるので、大まかに概略を述べます。

 

例えば、周波数1ギガヘルツのマイクロ波を、パルス幅10マイクロ秒のパルスで人間の頭部に照射すると、マイクロ波聴覚効果により音が聞こえます。ここで、1マイクロ秒は時間の単位であり、1秒の100万分の1になります。

 

この条件では、パルスを照射している時間、即ち、10マイクロ秒という極めて短い時間に限定して、マイクロ波が頭部を加熱することになります。

 

それでは、このように短い時間に、マイクロ波は頭部とどのように相互作用しているかという疑問があるわけです。特に、マイクロ波という電磁波エネルギーが、熱エネルギーに変換するプロセスは、どうなっているのかな、という疑問について、その回答というか、詳細を述べたのが、この演題になります。

 

マイクロ波を照射することにより、水分子がクルクルと回転するということは、皆さん、ご存じなのです。要するに、電子レンジが食品を加熱する原理です。

 

ところが、マイクロ波が照射したとき、水分子が回転するだけでなく、別途、あれやこれやも起きるのですが、そのあれやこれやを学会発表しました。

 

また、ほとんどの学会参加者はマイクロ波聴覚効果についてご存じないので、マイクロ波聴覚効果についても簡単に述べています。