昨日は、自動追尾レーダーautomatic tracking radarに言及いたしました。そこで、今日は自動追尾レーダーの実例を紹介いたします。

 

とはいっても、防衛秘密、軍事機密に抵触するわけにはいかないので、既に一般に公開されている自動追尾レーダーを紹介いたします。

 

カーナビはGPS衛星が送信する電波を受信していますし、最近は、スマホもGPS衛星が送信する電波を受信しています。

 

このようにGPS衛星は、カーナビ、スマホなどに民生利用されていて、秘密でも何でもありません。実は、GPS衛星は米国空軍が運営する軍事衛星であり、軍事利用もされています。

 

そして、GPS衛星の軍事利用となると、GPS衛星は自動追尾レーダーに変わるのです。弾道ミサイルが打ち上げられ、高度50キロ、高度100キロ、高度200キロなどになると、GPS衛星を自動追尾レーダーと利用して、迎撃ミサイルが、弾道ミサイルを撃墜します。

 

その技術的な詳細は米国特許8610041号に開示されています。この米国特許の特許権者はロッキード・マーチンになります。

また、下記のリブログに米国特許8610041号の概略が記載されています。

ところで、弾道ミサイルというと、どこかの国家が弾道ミサイルを発射した、ということでマスコミ報道されることがあります。

 

しかしながら、上空100キロとか、500キロなどに飛翔するような弾道ミサイルは、生命、財産などに危害を与えるリスクがあるかというと、そうでもないのです。

 

弾道ミサイルでは、イメージがわかないでしょうから、野球で考えます。

 

野球で、打者がセンター方面にホームランを打ったときを考えます。

 

ホームランとなるボールでしたら、投手の頭上を通過することになります。

 

それでは、ホームランとなるボールが、投手に命中するリスクを心配しますか?

 

普通、ホームランとなるような打球でしたら、投手に命中するリスクなど考える必要はないですよね。

 

野球のボールが飛翔する軌跡は、重力の作用により、放物線となります。

 

同様に、弾道ミサイルが飛翔する軌跡は、重力の作用により、放物線となります。

 

あまりにも上空なので、却って地上に対する脅威にならないのです。

 

ちなみに、地上から100キロ前後を超える上空となると、宇宙空間であり、いずれの国家の領空でないとされています。

 

弾道ミサイルが日本の上空を通過するときには、地上から100キロ以上の上空を通過しています。

 

人工衛星の軌道は、低軌道であっても、高度500キロから1000キロとされているのですが、弾道ミサイルもこれぐらいの高度まで上昇します。

 

要するに、弾道ミサイルは、あまりにも空高く飛翔するので、日本の領土に落下するリスクなどないのです。

 

また、万が一、弾道ミサイルが脅威になる場合には、地上から上昇していく過程とか、高度が最も高くなる宇宙空間で迎撃ミサイルなどで迎撃します。