最近、米国特許3951134号に記載された機械、即ち、遠方より人の自由意思に介入する機械について、取り上げています。

「決定論の世界」というブログ記事では、決定論の例示として具体的な事件に言及しているのですが、具体的な事例に言及するのは、なにかと差しさわりがありそうなので、どうでしょうね、今後は控えるかもしれません。

通常、人の運命は予め決まっているという決定論は、婉曲的に表現するもののようです。

 

岩波書店から刊行された「アラビアン・ナイト下」には「漁師と魔物」というストーリーが収録されています。

英語では、"The Fisherman and the Genie"ということになります。Genieというと魔物、魔人と訳されるのですが、どちらかというとアラビアン・ナイトに登場するようなアラビア半島界隈というか中近東の魔物、魔人のことになります。

 

 

漁師は、ソロモンの封印がされた壺を開けると、大きな魔物が壺から出てくる。この魔物は漁師を殺そうとするのだが、漁師が魔物を騙して、また、壺のなかに閉じ込める、というようなことが描かれています。

 

ところで、言語学者ソシュールが創設した記号論では、記号そのものと、記号の意味とを峻別するという特徴があります。

 

それでは、「ソロモンの封印がされた壺」という記号は、なにを意味するのでしょうかね。

 

「ソロモンの封印がされた壺」に閉じ込められた「魔物」という記号は、なにを意味するのでしょうか。

 

現代ですと、「魔物」とは、刑事裁判で有罪判決を受けた受刑者を意味するのかもしれません。

 

「魔物」を再び「壺」に閉じ込めるというのは、なにを意味するのでしょうか。

 

そうですね、米国特許3951134号で開示された機械から電磁波ビームを魔物の頭部に照射して、自由意思に介入して、再び刑事裁判を誘発するということなのかもしれません。

 

頭部に照射された電磁波ビームは量子通信を応用していて、検出できないのですが、この類いの技術は、現代の魔法のようなものです。

 

ちなみに、「漁師と魔物」というストーリーは、ノバート・ウィーナーの名著「サイバネティックス」第2版で紹介されています。

 

 

「サイバネティックス」初版には「漁師と魔物」について言及されていないのですが、第2版に「漁師と魔物」の逸話が追加されています。

 

やはり、「サイバネティックス」で婉曲的に分かりづらく開示した機械が、無線通信を介して、人間の自由意思に介入し、人間を遠隔制御することができる、というのは米国で秘密にされていたので、はっきりと描けなかったのではないでしょうかね。

 

ノバート・ウィーナーは、第二次世界大戦中に軍事研究に関わっていたと告白しているのですが、人間を遠隔制御する機械の開発に成功したと明記するわけにはいかなかったのでしょうね。