ある大学病院に入院している10人の乳児が、「メトヘモグロビン血症」と診断されました(文献)。
ヘモグロビンhemoglobinは赤血球に含まれるタンパク質ですが、ヘモグロビンのヘムhemとは鉄を意味します。
ヘモグロビンでは、鉄原子がタンパク質の一部となっているのですが、この鉄原子に酸素分子が化学結合(専門用語では配位結合)することで、ヘモグロビンは酸素分子を運ぶことができます。
メトヘモグロビン血症では、ヘモグロビンが酸素分子を運ぶという本来の機能を発揮しなくなります。ヘモグロビン中の鉄原子は通常、二価イオンとなっているのですが、何らかの原因で三価イオンになると、ヘモグロビンは酸素分子を運ぶ能力を失います。
この大学病院では、井戸水から汲み上げた水を使用しているのですが、井戸水が窒素化合物に汚染されていた結果、メトヘモグロビン血症を発症したと推測されています。
井戸水でなく、浄水場から供給される水道水を使用していたときには、メトヘモグロビン血症を防止できたのではないのかな。
文献
群馬大病院 水道水から基準値超の窒素含む物質 乳児に症状
NHK newsweb, 10月20日 16時05分