温覚とは、温度の上昇によって生じる感覚であり、皮膚又は粘膜に存在する温覚受容器が刺激されると、感覚神経を介して神経インパルスが脳に伝達され、暖かいとか、熱いという感覚が発生する。
一方、TRPチャネルという多種多様な膜貫通タンパク質があるのだが、TRPチャネルの一部が温覚受容器として作用する。
ここで、TRPとは、transienet receptor potential の略語である。
TRPチャネルは下記に分類されている。
TRPC; canonical
TRPM; melatatin
TRPV; vanilloid
TRPML; mucolipin
TRPP; polycystin
TRPA; ankyrin
TRPN
TRPVファミリーのうち、TRPV1, TRPV2, TRPV3,TRPV4などは温覚受容器として機能する。これらの温覚受容器は、暖かいとか熱いと感じる閾値が異なる。
閾値は概ね下記のようである。
TRPV1 約43℃
TRPV2 約52℃
TRPV3 約30~35℃
TRPV4 約35℃
TRPV3, TRPV4では皮膚温度などによって閾値が異なるようである。
ちなみに、TRPV4は温覚受容器だけでなく、機械受容器としても作用する。
TRPチャネルの研究、特にTRPVファミリーの研究について、昨日、ノーベル生理学医学賞が受賞されている。
参考文献
黒川竜紀、森泰生、Transient receptor potential チャネル、脳科学辞典、
富永真琴、生体はいかに温度をセンスするかーTRPチャネル温度受容体ー、日生誌、vol. 65、no. 4-5、pp. 130-137、2003