オーストラリア連邦地方裁判所は、2021年7月30日に人工知能が特許出願の発明者になるのを容認する判決をした。

 

その後、2021年8月30日にオーストラリア特許庁は、この判決に対して、上訴した。

 

その詳細は、オーストラリア特許庁の公式ウェブサイトを参照ください。

オーストラリア連邦地方裁判所の判決は画期的であるが、上訴で覆るのではないのかな。

 

特別法が制定され、人工知能に法人格が認められたときには、人工知能が発明者となる未来も想定できるが、現行法の枠組みでは、人工知能に権利能力を認めるわけにはいかないでしょうね。

 

要するに、自然人及び法人に権利能力が認められているが、単なる物に権利能力を認めるわけにはいかないでしょう。

 

人工知能は機械の一種であり、有体物に過ぎない。

 

ネコ、イヌのようなペットを可愛いがっているので、家族のいないお年寄りがペットに遺産を譲りたいといっても、ペットは所有権の権利者になれないのです。

 

ペットは法律上は物であり、売買の対象になります。

 

人工知能といってもペットと同様に売買の対象であり、法律上は物に過ぎません。

 

人工知能の自然言語処理が高度に進展して、人間と同様に会話したり、人間と心を通わせるコミュニケーションが可能になったとしても、人工知能は法律上は物に過ぎないのです。

 

人工知能は、人間の言語能力と同様な機能があり、このような機能が更に発展して、人間が思考、推論したのと同様な出力をすることができるようになっても、法律上は物でしょう。

 

現行法の枠組みでは、人工知能に特許を受ける権利の原始取得を認めるようなことはできないでしょうね。