天文学的な時間をかけて生物が進化して、人類が誕生したのですが、人体の構造は、進化の結果という側面もあります。

 

言い換えると、人体の構造は、遥か昔に遺伝子が突然変異した結果というような要素もあるのですが、神様が設計ミスをしたのではないかというようなところもあります。

 

「人体、なんでそうなった?」という書籍には、設計ミスのような人体の構造について指摘しています。

 

反回神経は、声帯を動かす筋肉に指令を送っていますが、著者は反回神経は、設計ミスではないかと指摘しています。

 

声帯は、喉に位置しているのですが、脳から声帯を支配する筋肉に指令を送るときに、脳から首に信号が到達して、そして、声帯に信号を伝えるというわけではありません。

 

反回神経は、迷走神経から分岐しているのですが、脳から首を通り過ぎて胸郭にまで到達して、そこから首に逆戻りしています。

 

反回神経は、左に一つ、右に一つあるのですが、左側の反回神経は大動脈弓を前方から後方にUターンしています。右側は鎖骨下動脈からUターンしています。

 

キリンにも反回神経はあるのですが、キリンは首が長いので、反回神経も長くなります。

 

また、多くの動物にはビタミンCを合成する酵素があるのですが、人間はビタミンCを合成することができません。ビタミンCは野菜など多くの食材に含まているので、ビタミンC不足はなかなか起きづらいのですが、それでも昔は船乗りがビタミンC不足で壊血病になっていました。

 

ビタミンC合成酵素が欠如しているのは、設計ミスなのかもしれません。

 

人間には必須アミノ酸がありますが、これらの必須アミノ酸を生合成できないので、食物から摂取する必要があります。

 

必須アミノ酸を生合成する酵素が欠けているのも設計ミスではないかという指摘があります。

 

ちなみに、菜食主義者は、豆類などから必須アミノ酸を摂取しています。

 

著者はニューヨーク市立大学教授。