2021年3月2日から日本生物物理学会関東支部会が始まるので、早速、聴講していた。
大学院時代は化学、特に有機金属化学が専門であり、生物系ではないのだが、弁理士として遺伝子組換えや医薬品に関する発明に対応したことは何度もあり、生命科学に関する基礎知識は十分にある。
今日の関東支部会では、新規な医薬品の開発を念頭として、その基礎研究について研究成果が報告されることもあったのだが、コオロギのミトコンドリアゲノムに関する基礎研究も報告されていた。そのあたりにいるコオロギでなく、珍しいコオロギである。
細胞内には核、ミトコンドリアなど様々な構造がある。核内にDNAとしてゲノム情報が格納されているが、ミトコンドリア内にも別途、ゲノム情報が格納されている。
珍しいコオロギのミトコンドリアゲノムが解析されたからといっても、医薬品の開発と同様に、社会に研究成果が還元されるか否かというと、どうなのでしょうね。
個人的には、社会に役に立つというような研究は、企業に所属する研究者が遂行すればよいと考えている。大学に所属する研究者は、社会に役に立つか否か分からないが、自然現象、生命現象の神秘、原理、理(ことわり)などを解明するだけで、十分、社会に貢献すると考えている。
大学時代の指導教官が、商品開発につながるような研究は企業ですればよい、というな方針だったので、そのような方針に未だに影響されている。