2020年8月15日、トランプ大統領の弟、ロバート・トランプ氏が亡くなった。病名は公表されていない(文献)。

 

ところで、2017年2月13日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で北朝鮮最高指導者の弟、金正男が暗殺されました。2人の若い女性はテレビ番組のいたずらと騙されて犯行に及んだのですが、騙した男性について消息は不明です。実行犯の背後にどこかの国家機関や軍情報部があるか否かも不明。

 

ハムラビ法典は、目には目を歯には歯をというルールを定めますが、旧約聖書の出エジプト記、申命記にも同様のルールが記載されています。刑法という観点では刑罰の上限を定めたという意義があるとされています。

 

すると、ハムラビ法典や旧約聖書では、1人を殺したときには、応報刑として1人、殺されるということになります。最高指導者の弟を暗殺したときには、最高指導者の弟が暗殺される、ということなのでしょうね。

 

ハムラビ法典のようなイスラム教も聖書のようなキリスト教も日本には普及していないのですが、日本ではどのように考えるのでしょうかね。

 

有名なテレビ番組「半沢直樹」では、やられたらやり返すということで倍返しとされています。すると、倍返しでは、1人を殺したときには、応報刑として2人、殺されるということになります。

 

一方、新約聖書、マタイによる福音書では、「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」ということになります。

 

この教えの一つの解釈としては、目には目を歯には歯をというような報復は止めようということになります。

 

やはり暴力はダメですね。報復として暴力というのもダメです。刑罰の趣旨は応報刑ではないのです。

 

現代の刑法では刑罰として自由刑が規定されています。犯人が他人を失明させるような犯罪を実行したときであっても、裁判所は自由刑を科すだけであり、報復として犯人を失明させるというようなことはしないのです。

 

追記

 

法の分類は複数ありますが、一つの分類としては、人の法と、神の法に大別されます。人の法とは、議会など人が造った法になります。神の法とは、神が造った法であり、神がモーゼに伝えた十戒などになります。

 

別個の分類としては、実定法と自然法に大別されます。実定法の典型例は制定法になります。自然法は、モーゼの十戒など宗教に由来しており、慣習法を形成していることがあります。

 

別個の分類としては、国際法と国内法に大別されます。国内法では制定法など実定法が主な法源になり、慣習法の役割は大きくありません。

 

これに対して、国際法では、条約、協定などが制定法になるのですが、司法の役割が限られているという特徴があります。

 

更に、国際法では、国内法と比べて、慣習法の役割が大きく、慣習法の一部は自然法に由来します。

 

同害報復lex talionis は、目には目を歯には歯をという法を一般化した原則であり、ハムラビ法典に限られず、ローマ法でも採用されています。

 

文献

ロバート・トランプ氏死去、米大統領の弟 ホワイトハウス

AFP, 2020年8月16日

https://news.yahoo.co.jp/articles/6bd7f690d1903b97d72c7bc1d08e6742a1b04385