クロード・シャノンは1940年代に「通信の数学的理論」を刊行して、情報理論という学術領域を創設しました。

 

本書には、通信モデルとして、下記の有名な図が掲載されています。

 


ところで、通信を専門とする研究者は、通常、大学時代に情報理論という講義を受けて、情報理論について勉強をしたことがあります。

 

通信といっても多種多様な分野があり、情報理論の専門家になる人はごく一部であり、情報理論に関する基礎知識を基盤として、5G, 6Gのような無線通信やインターネットにおける通信などを研究するようになるわけです。


一方、私は大学で通信の講義を受けたことはありません。大学図書館で通信の教科書などを読み漁り、基礎知識をつけてから電子情報通信学会の研究会に何度も何度も出席しています。

 

電子情報通信学会には情報理論研究会があるぐらいなので、無線通信の基礎知識として情報理論について多少は知っている必要があると思い、シャノンの「通信の数学的理論」を読んだのです。最初に読んだとき、何が何だか分からない。

 

別途、ブルーバックスから「シャノンの情報理論入門」という書籍が出版されています。書名に「入門」とあるだけのことはあり、確かに情報理論の入門書であって、分かりやすい。

 

更に、「情報理論」というタイトルの書籍も複数、刊行されているので、これらの情報理論の教科書も読むわけです。何度も何度も読んでいると次第に分かってくる。

 

 

これらの情報理論の教科書は、必ずシャノンの原著からこの図を引用しています。この図で表現される通信モデルが、重要ということは伝わってくる。

 

すると、この図には、一体全体、どんな意味があるのかとあれやこれや考えるわけです。特に雑音源noise sourceとは、一体全体、何だろう。

 

シャノンは多くの論文を発表しているのですが、それらの論文も考慮して、この図に記載されている雑音源とは脳波を意味するという独自の解釈を導いて、「チューリングマシン,情報理論及び心を読む機械を巡る温故知新-対人レーダーを応用したブレイン・マシン・インタフェース-」という文献にまとめました。

 

2020年3月のRCS研究会で発表する予定でしたが、コロナウィルスのためこの研究会は開催されませんでしたが、電子情報通信学会のデータベースから文献はアクセスはできます。下記のウェブアドレスになります。

https://www.ieice.org/ken/paper/20200305b1vy/