入力と出力の関係は線型の場合と、非線形の場合があります。
炊飯器を使ってご飯を炊くときを考えます。1合のお米でご飯を炊くときと、3合のお米でご飯を炊くときを比較します。3合のお米の場合、水の量は3倍になり、出来上がったご飯も3倍になります。
入力 出力
米 ご飯
水
炊飯器では、入力は米と水であり、出力はご飯であり、入力と出力は比例します。要するに、線形性が成り立ちます。
次に、ネコを見る場合を考えます。目の前に、一匹のネコが床に寝そべっているときと、3匹のネコが床に寝そべっているときを比較します。
一匹のネコのときに、「ネコ」と発話するとしても、三匹のネコのときに、「ネコ、ネコ、ネコ」と3回、発話しません。単に「ネコ」というかもしれないし、「三匹のネコ」と発話するかもしれないし、「たくさんのネコ」ということになるかもしれません。
また、「ネコ、ネコ、ネコ」と発話しても、通常、3匹のネコを意味するのでなく、別個の意味になります。具体的にどのような意味かということになると、文脈に依存するというか、発話したときの状況に依存します。
ネコという視覚刺激と、発話という反応との関係、換言すると、入力と出力の関係は線型でなく、非線形になります。
人間の脳では、線形性が成り立たず、非線形性になります。
人工知能は人間の脳をモデルとするリバースエンジニアリングという側面があるのですが、非線形性システムは、線形性システムより難しくなります。