昨日のブログ記事に続きます。

 

電子レンジではマイクロ波を照射して、食品を加熱しているのですが、それでは、マイクロ波を人体に照射して、加熱したときには、どうなるのでしょうか。

 

食品も人体も水分が含まれているし、マイクロ波加熱できるのは明らかです。

 

電子レンジで食品を加熱すると、経験上、熱が通って、美味しい料理ができます。

 

一方、頭の近くでスマホを使っても、経験上、生きたまま脳が料理されたりしません。

 

電子レンジでは500ワット前後の出力がありますが、最近のスマホは0.5ワット前後の出力になります。出力が千倍、違うと安全性は全く異なります。

 

さて、マイクロ波聴覚効果では、マイクロ波を頭部に照射して、頭部に含まれる水分を少しだけ加熱するのですが、頭部に照射されるマイクロ波の出力は電子レンジより小さく、更に、スマホより小さいのです。

 

マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信、即ち、マイクロ波を頭部に照射して、頭部に含まれる水の熱膨張で音波を発生させ、この音波で音声を骨伝導で伝える通信方式では、多種多様なトリックを使っています。

 

頭部に含まれる水を熱膨張させればよいので、マイクロ波のみを使っているわけでなく、それ以外の周波数の電磁波も使っています。

 

要するに、頭部に含まれる水の熱膨張に必要なエネルギーはマイクロ波だけでなく、他の周波数の電磁波からも供給されています。

 

また、人間の耳が聞き取れる音の限界も利用しています。所詮、人間という生物の構造に由来する限界により聴くことができない音は伝える必要はないわけであり、このような音は伝えないことにより、頭部に照射する電磁波エネルギーを少なくしています。

 

人間の耳に聞こえない音というのは、時間分解能のことです。

二つの音がほぼ同時に発生したときに、人間の耳が二つの音と認識するか、一つの音と認識するか、というようなことです。ほぼ同時といても、0.01秒、即ち、1秒の100分の1だけ時間差があるとか、0.001秒、即ち、1秒の1000分の1だけ時間差があるというようなことです。

 

あるいは、5秒間、連続している音を聴かせるとき、実は音が連続しておらず、1秒の1000分の1(1ミリ秒)だけ音が発生していない空白の時間を入れておくのです。あるいは、1秒の100分の1秒だけ音が発生していない空白の時間を入れておくのです。

 

この空白の時間が1000分の1秒のときには空白の時間が入っていることに気がつかないのですが、空白の時間を長くして100分の1秒にすると大抵の人は気がつきます。

お年寄りは聴覚が衰えることがあるのですが、お年寄りになると、100分の1秒、空白の時間があっても気がつかないことがあります。

 

一方、機械とか通信機を使えば、1ミリ秒(1秒の千分の1)でも、1マイクロ秒(1ミリ秒の千分の1)でも、1ナノ秒(1マイクロ秒の千分の1)でも電磁波ビームを照射するタイミングを制御することができます。

 

頭部に照射するマイクロ波の電磁波エネルギーが小さくなると、検出が難しくなるのですが、マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信システムでは、この類いのトリックを駆使して、マイクロ波の検出を逃れています。