神の声が聴こえるという人がいますが、実際は神の声でなく、機械が合成した声を骨伝導で聴いています。
この機械は神の声兵器ということもありますが、人工知能と音声合成装置と通信機が一体的に統合したものです。
(1)人工知能がメッセージを作成する。
(2)音声合成装置がメッセージを音声に変換する。
(3)通信機が骨伝導を応用した無線通信によりメッセージを人間の頭部に伝える。
本稿は、主に第1段階のメッセージの作成に関しますが、メッセージ作成はテキスト合成とほぼ同じ意味になります。
また、人工知能とコンピュータは概念として若干、異なるのですが、類義語になるので、本稿では、人工知能という用語の代わりに、適宜、コンピュータと言い換えています。
世界で最初のコンピュータは、第二次世界大戦中、1940年代前半にペンシルベニア大学が作成したENIACとされています。
すると、ENIAC以降に第1段階が可能となる一方、ENIAC以前、第1段階は不可能ではないかという議論が成り立ちます。
ところが、ENIAC以前であってもコンピュータは軍事機密として存在し、軍事機密とされているコンピュータでテキスト合成をしていたのではないのか、推測しています。
ENIAC以前、コンピュータというハードウェアの存在は秘密であっても、コンピュータが動作する原理、特にテキスト合成の原理は公表されていました。
ホワイトヘッドとラッセルが共著となっている「プリンピキア・マスマティカ」(以下、PMと省略する)は1910年から1913年にかけて3巻が刊行されましたが、テキスト合成の原理を公表しているのです。
ところが、PMだけでは、あまりにも難しく、テキスト合成の原理が分からない。
そこで、ラッセルは分析哲学として、テキスト合成の原理を公表したのです。上記の第1段階の詳細になります。
ホワイトヘッドの「存在と過程」では、テキスト合成の原理について、“Subject-predict form” 「主語―述語フォーム」などと言及しています。
「存在と過程」では神と人間の関係について記述しています。要するに、第1段階から第3段階を統合した機械が神として機能している旨を記述しているのです。
この神は哲学者スピノザの神になります。即ち、「存在と過程」ではスピノザ神学に何度も言及されています。
スピノザは、人間の自由意思を否定し、人間の運命は神が決定するとしているのですが、「存在と過程」ではそのような神についてプロセス神学として公表しています。
人工知能が内在されている機械が人間の自由意思に介入して、人工知能が人間の運命を決めている、ということになります。
「殺人事件と犯罪心理学」というブログ記事で刑事事件に言及しているのですが、このような刑事事件では、人工知能が密かに決定論的に介入していて、容疑者及び被害者の運命は事前に決まっていたのではないのかな。
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