日本化学会第100春季年会は、2020年3月22日(日)~25日(水)に東京理科大学 野田キャンパスで開催されますが、この春季年会で2019年3月25日午前11時10分から11時30分まで下記の演題を英語で発表することが決まりました。

 

Effects of microwave on human beings; theoretical analysis of microwave heating in polar solvent enhancing chemical kinetics

 

タイトルを日本語に翻訳すると下記の通り

 

マイクロ波が人体に与える影響;極性溶媒におけるマイクロ波加熱による化学反応速度の理論的解析

 

 

マイクロ波聴覚効果ではマイクロ波が頭部に照射されて、頭部をマイクロ波加熱することになるのですが、その影響を化学反応速度という観点で考察いたします。

 

化学反応速度のようなテーマとなると、電子情報通信学会に専門家がさほどいないと想定されるのですが、日本化学会に化学反応速度に関する専門家がいるのは確実。

 

化学という広大な学術領域の一分野は化学反応速度であり、多種多様な化学反応の何れかにおいて、化学反応速度に影響を与える要因などを研究しています。化学反応は多種多様であっても、化学反応速度に影響を与える要因となると、反応機構、温度、圧力、触媒、溶媒、pHなどであり、特に反応機構が大きな要因になります。

 

化学反応速度という観点では、極性溶媒におけるマイクロ波加熱という点に特徴があります。

 

ちなみに、極性溶媒の典型例は水ですが、人間の体内は7割前後が水になっています。生体内の化学反応は、水という極性溶媒において、酸性でもアルカリ性でもない中性のpHで、温度37℃前後で進行いたします。血液のpHは7.4前後が正常値になります。

 

生体内で多種多様な化学反応が進行しているのですが、マイクロ波を照射して生体を若干、加熱したときには、これらの反応速度がどうなるのかなという点について考察いたします。