遥か昔、東京大学工学部4年生になったとき、研究室に配属され、初めての研究をした。

 

当時の専門は化学でしたが、化学の世界の研究では、とにかく新しい化合物、今まで地球上に存在したことがない化合物、未知の化合物を合成することは意義があるとされている。

 

新規化合物が世の中にどれだけ役に立つという応用は置いといて、とにかく新しい化合物、未知の化合物がなにか合成できればよい。新規化合物の有用性など誰か別人が発見してもよく、とにかく新しい化合物が合成できればよい。

 

このような方針で新しい化合物を合成するのが実験の目標。当時の専門は化学といっても有機金属化学だったので、なにか新しい有機金属化合物、今までに誰も合成したことがない有機金属化合物を合成することが実験の目標だった。

 

さて、液体中で原料を混ぜて加熱したら、液体の色が変わった。色が変わるというのは化学反応が起きたという目印なので、原料と異なる何かが合成できたことは確実。

 

それでは合成した化合物は何だろう。

 

化学反応で1種類の化合物のみが生成するのは珍しく、通常、複数の化合物が生成する。私の実験でも混合物が生成しているのだが、混合物の組成というか、一体全体、どのような化合物がどれぐらい合成できたのかが全く分からない。

 

ここから悪戦苦闘が始まった。

 

目の前の溶液中には何か新しい化合物があるのだが、まず分離精製して、一種類の化合物にしなければならない。純粋な化学物質が単離できたときには、分析機器を駆使して、その化学物質がなにか特定できる。一方、混合物のままでは、何が生成したのか分からない。

 

分離精製が実に大変だった。結局、1つの化合物に精製することができず、なにかこのあたりの化合物が生成した、という結果で終わった。

 

要するに、実験をすると、その実験に成功するより失敗するのが簡単。

 

ところで、ネットサーフィンをしていて、マイクロ波に関連する実験をしたというブログに遭遇しました。電機会社などに所属する研究者でもなく、大学に所属する研究者でもなく、被害者団体が実験しています。

 

電磁波とか電波とかマイクロ波とかマイクロ波聴覚効果に関する実験は専門知識が必要になります。専門知識があっても実験が成功しないときがあるのですが、格別に専門知識がない人が実験をしたときに、その実験が成功するのでしょうかね。マイクロ波に関する実験には、あれとかこれとか様々な注意事項があるのですが、それらの目配りができているのでしょうかね。

 

マイクロ波に関する実験ですから、電子情報通信学会の研究会に研究成果を発表して頂けると、実験の詳細とか再現性について判断できるのですが。

 

なお、周波数450キロヘルツの電磁波が計測できたので、周波数450キロヘルツの電磁波がこの被害(どのような被害か詳細は省略。このブログ読者の多くが被害と主張しているような被害)の原因と主張されても、電磁波専門家はまず納得しないというか同意しないでしょうね。なぜ同意しないかという理由について、電磁波、電波、マイクロ波などの専門知識がない人に説明すると、大変、長文になるので省略いたします。

 

追記

この続きは「周波数450kHz」というブログ記事になります。