昔は、空を飛ぶ機械は不可能というのが常識だった。単純化すると、鉄は石や岩より重いのに、鉄の塊りが空を飛ぶなんでありえない、ということになる。鉄は重力という物理法則にしたがうので、鉄の塊りが空を飛ぶのは不可能である、という一見してもっともな科学的な主張を展開することもできる。
流体力学に基づいて、羽に揚力が発生するので、羽のある機械が空を飛ぶのは可能と主張しても、そのような難しい物理学は分からないので、空を飛ぶ機械はひたすら不可能と繰り返す人もいた。
さて、私はマイクロ波聴覚効果という物理現象があるので、マイクロ波聴覚効果を応用したマイクロ波通信、即ち、テレパシー通信は可能であると主張している。
しかしながら、マイクロ波聴覚効果を応用して、頭部に直接、音声を送信する通信方式は不可能であるという主張は未だに散見する。鉄の塊りが空を飛ぶのはありえない、というのと同様な主張に思えてしかたがない。
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マイクロ波聴覚効果に関する代表的な文献
1 J. A. Elder, C. K. Chou, Auditory responseto pulsed radio frequency energy, Bioelectromagnetics Supplement, vol.24, no.S6, pp. S162–S173, 2003.
2 A. H. Frey, Auditory response to pulsed radiofrequency energy to human auditory system, J. Appl. Physiol.,vol.17, no.4, pp.689-692, 1962.
3 小池誠,“マイクロ波聴覚効果の解説~電波が聞 こえる現象の再発見~”,電子情報通信学会研究 報告, vol. 116, no. 13, MW2016-8, pp. 39-44,Apr. 2016.
4 小池誠,”マイクロ波聴覚刺激の概説-電波が聞こえるというパラダイムに転換-”情報処理学会 研究報告,vol.2016-MUS-111, no.35, pp.1-7,May2016.
マイクロ波聴覚効果に関する追加文献
1.論文タイトルの和訳:耳によりマイクロ波信号を検知したという観察
論文タイトル:An observation on thedetectionbytheear of
発表雑誌:Proceedings of IRE 44:2A, (1956)
著者:Walter Tolles and William Horvarth
著者の所属:Airborne Instruments Laboratory,
概要:出力が50万ワットであり、
周波数が1300メガヘルツであり、
パルス幅が2マイクロ秒であり、かつ、
パルス繰り返し回数が1秒に600回という条件で、
マイクロ波が聞こえた。
備考:雑誌の名称にあるIREとは、ラジオ工学者協会(The Institute of RadioEngineers)の略語であり、ラジオ工学者協会が発行している学会誌である。
Proceedings of IREは、現在、ProceedingsofIEEEになっている。
2.論文タイトルの和訳:「変調された電磁波エネルギーに対するヒト聴覚系の応答」
“Auditory responsetopulsedradiofrequencyenergy
to human auditory system”
Frey, A. H., Journal of AppliedPhysiology 1962、17(4)689~692ページ
概要:周波数が425MHz、1.31GHz、2.982GHzのマイクロ波は、パルス波形のとき、音として聞こえた。
備考:論文タイトル中、「変調された電磁波エネルギー」とは、パルス変調されたマイクロ波を意味します。「変調」とは無線通信技術の専門用語であり、音声やデータなどの信号波で搬送波を変化させるという意味で使われています。変調には、振幅変調、周波数変調、パルス変調など様々な変調方式がありますが、フレイ論文はパルス変調に関します。
3.論文タイトルの和訳:「パルス化されたUHF電磁波エネルギーの照射によるヒトの知覚」
概要:UHFとは、300メガヘルツから3000メガヘルツ(3ギガヘルツ)の周波数帯であり、パルス波形のときに、音として聞こえます。この論文は、マイクロ波刺激により聞こえる音の大きさが、パルスのピーク電力に依存することを示した。
3.Chung-Kwang Chou, ArthurW.Guy,RobertGalambos,
"Auditoryperceptionofradio-frequencyelectromagneticfields"
Journal of Acoustic Society ofAmerica1982,71(6),June, 1321-1334
4 「マイクロ波の可聴;マイクロ波パルスによる熱弾性波聴覚刺激の証拠」
“Microwave Hearing:Evidence for
Thermoacoustic AuditoryStimulationbyPulsedMicrowave”
Science, 19 July, 1974, Vol.185,No.4147,pp. 256-258.
著者の所属:Naval Medical Research Institute,
5 Olsen, Richard G.; Lin, J.C.,
"Microwave-InducedPressureWavesinMammalian Brains,"
vol.BME-30, no.5, pp.289~294, May 1983
6 タイトル和訳:「マイクロ波パルスにより発生する蝸牛のマイクロホン電位」
“Cochlear microphonicsgeneratedbymicrowavepulses”
The Journal of MicrowavePower,1975,Vol.10(4), 361-367.
7 論文タイトル和訳「マイクロ波聴覚効果における中枢神経系が関与している分析」
“Analysis of Central Nervous Involvement
in the Microwave Auditory Effect”
8 論文タイトル和訳「パルス化された電波エネルギーの聴覚応答」
“Auditory response topulsedradiofrequencyenergy”
Bioelectromagnetics, 2003、24: S162–S173.
9.社団法人 電気学会
高周波電磁界の生体効果に関する計測技術調査専門員会 編集
「電磁界の生体効果と計測」
1995年2月10日
コロナ社出版