『ノイズ-音楽・貨幣・雑音』という書籍の紹介であり、
というブログ記事の続きです。
この書籍のほぼ冒頭は、下記のように描写されています。
世界を読むことはできないが、世界を聴くことはできる。
我々の科学は、
常に意味を監視し、意味を計測し、
意味を要約し、意味を去勢することを
所望するとともに、
生はノイズに満ちており、死のみが静寂であることを忘れている。
仕事のノイズ、人間のノイズ、及び獣のノイズ。
翻訳終了
監視、計測、要約、去勢という動詞が並列に列記されているのですが、
意味を監視するとか、意味を計測するというのは、
そもそもどのような意味なのだろうか。
意味を要約するという用法は言語として成立しますし、
意味を去勢するという用法が、解釈の指針を与えている。
科学技術を駆使して、
国民を監視し、国民を計測し、国民を去勢している実態を
隠喩で表現しているのである。
人体は電磁波を放射しており、
この電磁波はノイズとして計測することができる。
人が死んだ時に人体が放射する電磁波が止まり、静寂が訪れる。
仕事中には仕事に起因する電磁波ノイズの放射があり、
人間が放射する電磁波ノイズがあり、
動物が放射する電磁波ノイズがある。
レーダー技術を応用したシグナル・インテリジェンスでは、
これらの電磁波ノイズを探知できるのである。
更に、これらの電磁波ノイズをコンピュータで分析することにより、
様々な情報をえることができ、現実世界における盗聴が実現するのである。
国家が科学を駆使して聞き耳を立てる現実、
即ち、国家による盗聴が隠れたテーマとなっている。