ウンベルト・エーコ氏死去、イタリアの作家 84
20160220 12:22 発信地:ローマ/イタリア
 
220 AFP】(更新)ベストセラー小説「薔薇の名前(The Name of the Rose)」などで知られるイタリアの作家で哲学者でもあるウンベルト・エーコ(Umberto Eco)氏が死去した。84歳。地元メディアが20日、家族の話として伝えた。
 
 大手日刊紙レプブリカ(La Repubblica)のウェブサイトによると、エーコ氏は、がんのため、現地時間19日午後930分(日本時間20日午前530分)に死去したという。
 
 193215日、イタリア北部ピエモンテ(Piedmont)州アレッサンドリア(Alessandria)生まれ。現代イタリア文学における偉大な作家の一人とされる。
 
 1950年代後半、話し言葉や書き言葉、科学や芸術で意思疎通に使われる記号の研究、記号論についての思想を展開し始め、1970年代にボローニャ大学(University of Bologna)の記号学教授に任命された。
 
 1980年に出版された「薔薇の名前」の成功をきっかけに、広く世間に知られるようになった。
 
 中世のイタリアの修道院を舞台とした殺人ミステリーである同作は1986年、ジャン・ジャック・アノーJean-Jacques Annaud)監督によってショーン・コネリー(SeanConnery)やクリスチャン・スレイター(Christian Slater)らの出演で映画化された。
 
 エーコ氏は、晩年まで活動を続け、「フーコーの振り子(Foucault'sPendulum)」(1988)、「前日島(The Island of the Day Before)」(1994)、「バウドリーノ(Baudolino)」(2000)、プラハの墓地(The Prague Cemetery)」(2010)などの作品を遺した。(c)AFP
 
記号論は言語学に分類されていますが、
なかなか重要な分野でして、
現実の社会で役に立ちます。
 
例えば、コンピュータが文字を処理するときに、
ASCIIコードなどを使っていますが、
文字をASCIIコードに変換する理論的な基盤が
記号論になります。
 
同様に、人間の脳が思考するとき、通常、
言語で思考をしていますが、
脳内のニューラルネットワークに流れる信号が、
言語、思考に対応しているわけです。
 
思考と、ニューラルネットワークの信号を対応させるときには、
記号論の知見が有用となるのですが、
このような観点から記号論は、
認知科学や人工知能と密接に結びついています。
 
私も一時期、記号論の書籍を読み漁っていました。