心理学の研究結果、6割以上が再現不可能検証調査

20150828 13:13 発信地:マイアミ/米国

 

828 AFP】人がどのように行動したり思考したりするかに関する科学的研究は、外部専門家らによる研究結果の再現が不可能なものが多いとの研究報告が27日、発表された。心理学研究の信頼性に関する新たな疑問を浮上させる結果だという。

 

科学者270人からなる研究チームは、2008年に米国の主要査読学術誌3誌に発表された心理学と社会科学の研究論文100件について、その結果の再現を試みた。

 

米科学誌サイエンス(Science)に発表された調査結果によると、元の研究論文と同じ結果が得られたのは、全体の39%にすぎなかったという。

 

調査対象論文の研究テーマの範囲は、人々の社会生活や他者との交流から、知覚、意識、記憶などに関する研究までに及ぶものだった。

 

(中略)

 

ノセック氏は、記者会見で「科学的な主張が信用できるものとなる根拠は、それを生み出した人の地位や権威ではない」と述べ、「科学的主張の信頼性は、その主張の根拠となる証拠の再現性に部分的に依存している」と語った。

 

問題が生じる恐れがあるのは、科学者らが「有意」と考えられるもののみを含めるために自説に都合の良いデータだけを選び出す場合や、研究規模が非常に小さいために偽陰性や偽陽性が発生する場合などだ。

 (c)AFP/Kerry SHERIDAN
 

サイエンスに掲載された論文は、下記の通りです。

 
Science 28 August 2015:
Vol. 349 no. 6251
DOI: 10.1126/science.aac4716

Estimating the reproducibility ofpsychological science

Open Science Collaboration

ウェブアドレス:http://www.sciencemag.org/content/349/6251/aac4716

 

この論文では、再現に成功したか否かは統計学により判断されていますが、統計学の知識がないと、よく分からないでしょうね。

 

ところで、うつ病の治療薬を投与して、症状が改善したか否かとか、統合失調症の治療薬を投与して、

症状が改善したか否かとか、自閉症の治療薬を投与して、症状が改善したか否かというのは、多かれ少なかれ、心理学の実験になります。

 

これらの薬は本当に有効なのでしょうかね。

 

どこか怪しさがつきまといます。

 

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