米国空軍は、マイクロ波パルスを頭部に照射して、
音声を頭部に直接、伝える通信技術を開発して、
米国特許6470214号及び米国特許6587729号を取得しています。
 
この米国空軍の通信方式では、基本的には、
AM変調した後、パルス変調していますが、
その詳細は、下記にリストした米国空軍特許シリーズの
ブログ記事を参照ください。
 
すると、一連のパルスを頭部に照射するとき、
個々のパルスの電圧は、AM変調に伴って、変動することになります。
 
一方、AM変調の代わりにFM変調をして、
頭部に直接、音声を伝えることもできます。
 
具体的には、音声信号をFM変調した後、パルス変調して、
マイクロ波パルスを被害者の頭部に照射することになります。


一連のパルスを頭部に照射するとき、個々のパルスの電圧は、
一定に設定することが可能ですが、
パルスを照射するタイミングを調節することになります。
 
東京FMなどのラジオ放送では、音声信号をFM変調して
視聴者に伝えていますが、
このFM変調と基本的な原理は同じになのですが、違いもあります。
 
東京FMは80メガヘルツの電波(搬送波)で放送されています。


音声信号がFM変調されているので、
電波の周波数は概ね80メガヘルツであり、
音声信号の関係で若干の変動があります。
 
一方、音声信号がFM変調されて、次にパルス変調するときには、
音声信号が80メガヘルツ(8000万ヘルツ)の搬送波で
変調されるのでなく、1万5000ヘルツの搬送波で変調されます。
 
この通信方式の概要は下記の通り。
 
第1段階として、音声をマイクに入力して、音声信号に変換する。
 
第2段階として、15000ヘルツの周波数を搬送波として、
音声信号を周波数変調する。
 
第3段階として、周波数変調された音声信号を更にパルス変調する。
 
第4段階として、パルスをマイクロ波ビームとして、
ターゲットの頭部に照射する。
 
FM変調してパルス変調する方式は、
カンザス大学医学部教授ジャステセン医師が著者の
「マイクロ波と行動」という論文に掲載されています。
 
ドン R.ジャステセン、「マイクロ波と行動」、
American Psychologist, vol.30(3), March1975, 391-401
 
この論文には、米国陸軍ウォルター・リード研究所の
ジョセフ・シャープ博士が、
この通信機を開発したことが記載されています。
 
論文の著者、カンザス大学医学部教授は、
米国ミズーリ州カンザス市、
退役軍人管理病院も兼任しています。
 
最後になりますが、マイクロ波が聴覚を刺激する現象は、
「音とマイクロ波」というブログ記事を参照ください。
 
関連ブログ記事
 
マイクロ波聴覚効果について