原発解体とガン増加

 

2014年10月22日から福島第一原発の解体が始まりました。

 

まず、原発事故が起きた後、

燃料プールから核燃料を取り出す必要性は乏しいものがあります。

 

福島第一原発は既に原発としての機能が停止しているので、

飛散防止剤を散布するのでなく、

鉛及びボロンを含有するセメントを流し込んで、

原子炉を分厚いコンクリートで被覆するのが望まれます。

 

鉛は放射線を吸収し、ボロンは中性子を吸収します。

 

ボロンはホウ素ともいい、原子記号はBであり、

全ての元素を並べた周期表では炭素(C)の1つ前になります。

 

放射性物質はアルファ線、ベータ線、ガンマ線などを放射するのですが、

これらは全て発がん性です。

 

早期のガンは治療も可能ですが、

治療ができないガンも多いのが実情です。

 

例えば、慶応義塾大学でガン治療を専門とする近藤誠医師は、

多数の著書でガン治療の限界について述べています。

 

過去、20年前後、日本人の死因トップは、ガンです。

 

福島原発事故の影響や、

ガレキ撤去に伴って放射性物質が飛散する影響は、

10年後、20年後、30年後に

ガンで死亡する日本人の数が更に増加するということにより

如実に表われます。

 

ガンが発症するまでに時間がかかり、

更にガンが原因で死去するまでに時間がかかるので、

福島原発事故や原発解体とガンの発症との因果関係が

不明確になりやすいだけであり、

因果関係は確実にあります。

 

ところで、トマス・ホッブズ、ジョン・ロック、

ジャン・ジャック・ルソーなどが提唱した社会契約説では、

国民の生命などの基本的権利を守るために

国家が創設されているのであり、

国家の最も基本的な責務は国民の生命を守ることにあります。

 

ところが、放射性物質が飛散する状況をあえて創り、

将来、多数の国民がガンで死亡することを容認するのでは、

国家としての最も基本的な責務を放棄しています。

 
 

以下、朝日新聞とNHKから記事を引用することにより、

事実を確認できるようにしています。

 

福島第一原発、建屋カバー22日に解体開始

熊井洋美201410152311

 

 東京電力は15日、福島第一原発1号機の建屋カバーの解体作業を22日に始めると発表した。爆発した建屋上部のがれき撤去に必要な手順だが、放射性物質が飛散する恐れがあり、敷地内の放射線量やほこりを監視しながら作業する。本格的な作業は来年3月からで、2016年度中にがれき撤去に入るのが目標という。

 

 福島第一原発では昨年8月の3号機のがれき撤去の際に放射性物質が飛散した経緯があり、福島県や専門家から慎重な対応を求める声が出ていた。東電は作業日程は事前に公表するとし、すでに県や地元13市町村に説明したという。

 

 22日からの作業では、屋根部分の計48カ所に順次30センチ四方の穴をあけ、放射性物質が舞い上がらないよう合成樹脂の飛散防止剤を内部にまく。今月末以降に6枚ある屋根のパネルのうち2枚を取り外し、カメラを入れてがれきの状態を調査、撤去作業の計画作りに役立てる。

 
 
 
 

以下、NHKウェブサイトから引用

 

福島第一原発 建屋カバー解体に向け作業開始

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東京電力は、福島第一原子力発電所1号機の建屋に積もったがれきを撤去するため、22日から建屋を覆うカバーの解体に向けた作業を始めました。

3年後に計画されている使用済み燃料プールからの核燃料の取り出しに向けて、安全性を確保しながら順調に作業を進められるかが課題となります。

 

福島第一原発1号機の原子炉建屋を覆うカバーは、放射性物質の放出を抑えるため事故発生の半年後に設置されましたが、建屋に積もったがれきを撤去して使用済み燃料プールから核燃料を取り出すため、22日から解体に向けた作業が始まりました。

東京電力によりますと、22日の作業は午前7時すぎから行われ、遠隔操作のクレーンの先端に取り付けた筒をカバーの天井に突き刺し、積もったがれきに放射性物質の飛散を防ぐ薬剤をまいていきました。

午後1時半の作業終了までに8つの穴を開け、合わせて4キロリットルの薬剤をまいたということです。

東京電力では今後、1週間程度かけて天井の48か所に穴を開けて薬剤をまいたうえで、今月30日ごろから天井の一部を外し、およそ1か月かけて放射性物質の飛散状況を監視することにしています。

そのうえで、来年3月から本格的にカバーを解体したあと、再来年度の前半からがれきの撤去作業を行い、燃料プールからの核燃料の取り出しは平成29年度から行う計画です。

東京電力は、放射性物質の飛散の状況を測定装置で監視し、データをホームページなどで公表することにしていて、22日の作業では周辺のモニタリングポストや測定装置の値に異常はないとしています。

カバーの解体は、ことし7月から行われる計画でしたが、去年、3号機でがれきを撤去した際に放射性物質が飛散して水田を汚染したおそれが指摘され、対策を検討するために延期されていて、今後、安全性を確保しながら順調に作業を進められるかが課題となります。

 

廃炉作業の状況は

 

国と東京電力がまとめた計画では、福島第一原子力発電所の廃炉が完了するのは30年から40年後とされています。

このうち、最も作業が進んでいる4号機では、使用済み燃料プールの核燃料の90%近くがすでに取り出され、ことし中に終了する予定です。

一方、1号機と2号機では平成29年度から、3号機では平成27年度から、それぞれ取り出しを開始するとしていますが、いずれも課題は山積しています。

3号機では、核燃料の取り出しに向けて去年からがれきの撤去作業が行われていますが、がれきを燃料プールに落下させるトラブルなどもあり、作業はたびたび中断しています。

また2号機は建屋内の放射線量が極めて高く、核燃料を取り出す具体的なめどは立っていない状況です。

1号機についても、22日からカバーの解体に向けた作業が始まりましたが、放射性物質の拡散対策を追加したことなどから、本格的なカバーの解体は元の計画と比べて実質的に半年以上遅れていて、燃料プールからの核燃料の取り出しもずれ込む可能性があります。

さらにその先には、メルトダウンした1号機、2号機、3号機で溶け落ちた核燃料を取り出す極めて難しい作業が待っています。

工程表では1、2号機が平成32年度から、3号機が平成33年度からとなっていますが、現状では溶け落ちた核燃料がどこにどのような状態であるのかさえ分かっていません。