EU留学プログラム、子ども100万人の誕生に貢献
2014年09月23日 17:46 発信地:ブリュッセル/ベルギー
【9月23日 AFP】世界各国の学生や教師、学者らの交流促進を目的とした修士・博士課程対象の留学プログラム「エラスムス・ムンドゥス」──欧州連合(EU)は22日、このプログラムをきっかけに結ばれたカップルの間に生まれた子どもの数が約100万人に上ると推定されると発表した。
EUは先頃、1987年に発足した同プログラムに関する調査を実施した。その結果、参加者27%が留学先で人生のパートナーと出会い、また同33%が自国籍以外のパートナーと交際していたことが明らかになった。これはプログラムに参加していない学生らが外国人のパートナーと結婚する割合の約3倍に相当する数字だという。
エラスムスの「効果」についてEUは、二重国籍の赤ちゃんが数多く誕生したこと以外に、雇用および人口の増加にも貢献していると主張している。域内の国々では、若者の約5人に1人が失業しており、景気後退の影響がより顕著に現れているが、このプログラムは参加者の就業率を高める上でも重要な役割を果たしてきたという。
欧州委員会(EuropeanCommission)のピア・アーレンキルド・ハンセン(European Commission)報道官は、「今回の調査から、プログラムに参加した若者たちは長期の失業を経験する可能性が低いことが分かった」と説明している。
調査はプログラムに参加した団体および学生ら8万人を対象に実施したもので、過去最大規模となった。
EUによると、これまでに同プログラムに参加した学生の数は300万人で、教師は35万人。また今後さらに、約400万人がエラスムスを通じて、外国の大学で学ぶ予定になっている。エラスムスにはEUの加盟28国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、トルコが参加している。
同プログラムは、ルネサンス時代に欧州各地を渡り歩いて人文主義の思想を深めたオランダの哲学者、デシデリウス・エラスムス(Desiderius Erasmus、1466~1536)にちなんで命名された。
プログラムの参加者には、EU外交安全保障上級代表に指名されたイタリアのフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外相をはじめ、著名人んも数多い。イタリアのマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)首相はモゲリーニ氏らを、将来有望な「エラスムス世代」と呼んでいる。(c)AFP/Danny KEMP
このようなニュースに触れるにつけ、
日本が国境、言語及び文化の壁に捉われており、
国際社会から遊離していることを実感します。
大学院で教育を受けた知識人は、北米、ヨーロッパ諸国では、
国境を越えて移動し、これに伴って知の集積が世界に拡散していきます。
これに対して、日本には国境、言語及び文化の壁があり、
ユーラシア大陸の片隅に浮かぶ
辺境の地となっているのかもしれません。