日本の調査捕鯨 事実上先延ばしを 決議案可決

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スロベニアで開かれているIWC=国際捕鯨委員会の総会は18日、最終日の議論を行い、ニュージーランドが提出した日本の調査捕鯨を事実上先延ばしするよう求める決議案が賛成多数で可決されました。

 

この決議に法的な拘束力はありませんが、日本の調査捕鯨に対する国際世論の風当たりは一段と厳しくなりそうです。

 

今月15日からスロベニアのポルトロージュで開かれているIWCの総会は18日、最終日を迎え、ニュージーランドが提出した日本の調査捕鯨を事実上先延ばしするよう求める決議案について議論が行われました。

 

そして参加国による採決が行われ、賛成が35か国、反対が20か国となり、賛成多数で可決されました。

 

決議案は、日本が調査捕鯨を実施する際に提出している計画をこれまでの科学委員会だけでなく、総会にも提出するよう規定の変更を求める内容となっています。

 

科学委員会は毎年開かれますが、総会は2年に一度しか開かれないため、仮に日本が決議に従った場合、2年後の2016年からしか調査捕鯨は実施できなくなることを意味します。

 

決議に法的拘束力はないため、日本としては従来どおり来年の科学委員会に計画を提出して調査捕鯨を実施したい考えです。

 

ただその場合、ルールを守らない国と世界から見られるおそれがあり、国際イメージの低下にもつながりかねません。

 

日本政府の森下丈二代表は採決後の意見陳述で、「決議は可決されたが、国際司法裁判所の判決やすべての国際法に基づいて、来年度の調査捕鯨の計画を策定する方針に変わりはない。それについては各国の理解を求めていきたい」と述べました。

 
 

個人や企業は国内法を遵守することが求められ、

国家は国際法を遵守することが求められます。

 

日本政府は、国際捕鯨条約という国際法を遵守して、

調査捕鯨を禁止すべきです。

 

既に、国際司法裁判所が、

調査捕鯨が国際捕鯨条約に違反するという判断をしているところ、

調査捕鯨の再開は、国際捕鯨条約を遵守する意思が

全くない確信犯ということになります。

 

2014年7月8日に、

オーストラリアを訪問中だった安倍晋三(Shinzo Abe)首相に対して、

シー・シェパードが日本の調査捕鯨の再開を妨害する趣旨の

警告書を手渡しています。

 

シー・シェパードが国際司法裁判所の判決を

強制する執行機関としての役割を果たすことになるのでしょう。

 

換言すると、調査捕鯨を実行するのは悪事なので、

シー・シェパードが実力で悪事の実行を阻止するということになります。

 

国際法に違反してまで捕鯨を再開する日本政府が

国際社会から非難を受けることは当然のことです。


なお、日本の伝統や日本の食文化を強調する反論がありますが、

伝統、食文化は法改正などにより変遷するものです。


例えば、江戸時代、仇討は合法でしたが、
明治時代に仇討は違法に変わっています。

伝統、文化は時代とともに変遷するものであり、
このような変化を阻害した場合、
人類は石器時代の生活様式を墨守することになります。

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