定義
 
非殺傷性兵器は、非致死性兵器ともいい、相手を死傷させることなく無力化
(incapacitate)する兵器である。非殺傷性兵器、非致死性兵器は
何れもノン・リーサル・ウエポン(non-lethal weapons)の訳語である。
 
概要
 
非殺傷性兵器は、ライフル、自動小銃、迫撃砲、手榴弾などの殺傷性兵器と異なり、戦場で戦闘員に使われることを意図しているものではない。
 
暴動の鎮圧のために非殺傷性兵器が用いられるという説明がされ、
催涙弾が例示されることもある。


千人規模、一万人規模が集合した集会を散会されるために
ADSという非殺傷性兵器が使われることもある。


催涙弾やADSを例示する説明は、
非殺傷性兵器の本来の用途を隠蔽するものである。
 
隠密作戦
 
非殺傷性兵器は、通常、軍情報部が一般市民、非戦闘員に対して
隠密作戦(clandestine  operation)を遂行するときに投入される。


ターゲットとなる一般市民、非戦闘員は、自国の国民であることも多く、
軍情報部が犯罪を実行しているのである。
 
隠密作戦は作戦を実行しても、作戦が実行した事実が
判明しないことに特徴がある。
 
隠密作戦は通常、国内法に違反する犯罪に該当するため、
隠密作戦の実行行為があったことが判明しないように
工夫されているのである。
 
また、ターゲットは、軍隊の攻撃を受けているのにもかかわらず、
攻撃を受けているという認識が欠けている。


これに伴って、ターゲットが防御をせず、加害者に対して反撃もしない。
 
更に、医師は非殺傷性兵器に起因する健康被害を別個の原因と誤認して、
非殺傷性兵器が投入されたことに気が付かない。
 
ちなみに、米国中央情報本部(CIA)は、公式サイトにて、
隠密作戦を遂行する部門があることまでは公表している。
 
 
機密解除
 
米国陸軍情報保全隊(米国メリーランド州、フォート・ジョージ・ミード)は、
2006年12月13日付けで、
という報告書を公表している。
 
この報告書では、非殺傷性兵器として、
マイクロ波ビームを人体に照射する電波兵器、
超音波ビームを人体に照射する音響兵器、
赤外線ビームを人体に照射する光兵器
が機密解除されている。
 
電波兵器は、レーダーを応用している。
音響兵器は、ソナーを応用している。
光兵器は、レーザーを応用している。
 
マイクロ波も超音波も赤外線も、
眼に見えず、耳に聞こえないので、
五感で探知できない。
 
更に、マイクロ波、超音波は、壁、ガラス、屋根を貫通するので、
遠距離からターゲットを狙うことができる。
 
被害者は、どこから攻撃を受けていることも分からないのである。

電波兵器としては、95GHzのマイクロ波を人体に照射する
アクティブ・ディナイアル・システム(ADS)が
別途、公表されている。
 
音響兵器としては、大音量の音声を指向性音響波として発射する
LRADが別途、公表されている。
 
ADS、LRADは、米国陸軍情報保全隊から非殺傷性兵器に
関する機密が漏洩したことに起因するダメージ・コントロールという
側面が強く、実際に兵器として大規模に活用することを
意図しているものではない。
 
要するに、電波を利用する非殺傷性兵器の典型例として
ADSが紹介され、音響波を利用する非殺傷性兵器の典型例として
LRADが紹介された場合、
2006年12月13日付けで機密が漏洩した非殺傷性兵器が
一般社会に浸透しづらくなる。

機密解除された文献には、幻聴を誘発する電波兵器や、
テンカンを誘発する電波兵器が公表されている。

ADSは非殺傷性兵器として公表できるが、
幻聴を誘発する非殺傷性兵器や、テンカンを誘発する非殺傷性兵器は、
軍情報部は広めたくないのである。

追記

2014年8月22日、このブログ記事は転載可能に設定しました。